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2006年09月29日

TACKLEBOX【書籍紹介】

昨夜は飲み会だったので、周到たる僕は夕方までに記事を書き上げ、時間指定投稿で保存。これで安心だと思ったまま酔っぱらって帰ってきたら新しい記事はどこにもなく、驚愕の余り僕は冷蔵庫のビールを一気飲みしてってまだ飲むのかよ。どうやら間抜けにも記事を保存し損ねたらしい。

こんなことで毎日更新が途切れてしまうのは本当に阿呆らしいけど、それも自らの愚かさを呪うのみである。まあ飲み会から帰ってきたのが午前3時というのがそもそも間違ってるんだけど。深夜に何をする気力もなく、そのまま潰れてしまった。せっかく見に来てくれた方には誠に申し訳ありませんでした。後で昨日の分をこっそり何かで穴埋めしておきます。

改めて、昨日アップするはずだった記事を更新します。

*******
昔の雑誌を紐解くコーナーを作ってみよう。1985~2000年ぐらいまでの間に、僕が購入して今でも保存しているものから抜粋して紹介していく。さすがに散逸したものが多く、手持ちは少ないが、バスフィッシングを中心にその歴史や当時の雰囲気をいくらかは伝えられると思う。

所有している中で、最も古く、量があるのは僕が少年時代に愛読していた「TACKLEBOX」(フリーウェイ)である。まず最初に、同誌についていくつかの事柄を述べたい。

同誌は1981年春創刊。大学の釣りサークルメンバーが集まり、当時ブームになろうとしていたルアー・フライフィッシングの情報誌を目指して始まったという。当時、学生たちの間ではあらゆるジャンルのミニコミ誌が隆盛となっていた。

1976 年に目黒考二と椎名誠が創刊した「本の雑誌」がその起爆剤となった。権威も金も持たない学生たちが、自分たちの感性でコミュニケーションの輪を広げていくこうしたミニコミ誌は、それまで商業ベースに乗らなかったコアな趣味分野を自由に語り合い、情報交換できる場として若者たちを中心に大きな支持を得ていった。

「カウンター・カルチャー」や「インディーズ」という言葉が象徴する80年代において、若者の自由な表現の場としてミニコミ誌は隆盛を迎える。「ぱふ」「ロッキング・オン」「宝島」「広告批評」「ビックリハウス」などはその後、商業誌としての地位を確立した。ポップなコラム文体、イラストや写真を多用した斬新な紙面構成は大手出版社が「ポパイ」などのコラム誌を後追いで創刊するなど、出版界の新たなムーブメントになった。

この流れの中で創刊されたTACKLEBOXは、読者投稿を積極的に募集し、プロでもない編集部の人間が実釣レポートを頻繁に行うなど、それまでの釣り雑誌にはない等身大のスタンスを取った。若年層が多かったルアー/フライアングラーにとって、この雑誌の登場は福音と言えた。

従来の釣り雑誌は釣り宿の釣果報告や仕掛けの紹介などがメインで、堅苦しくどこか「漁」の雰囲気を残していた。また、ルアー/フライの専門誌もほとんどなく、この釣りに憧れる若者たちは情報に飢えていた。同誌は読者との垣根が低いミニコミ誌という出発点のメリットを存分に生かし、次第に大きな支持を得ていった。

また、当時は第二次バスブームのころで、日本製の釣り具やルアーが続々と育ち始めていた。代表格がズイールで、柏木重孝氏のハンドメイドから始まった同社のルアーは当初、関東の2,3のショップでしか販売していない、まさにインディーズ製品だった。柏木氏は早くから同誌に登場し、同誌と歩調を合わせるようにズイールは成長していく。

また、村田基氏や伊東由樹氏らも無名時代から同誌に連載を持つなど、バスフィッシングの伝導役となった。同誌はそうした人材を育て、日本のバスフィッシング文化を育てた一翼を担ったといえる。85年に初めて開催された同誌主催のバストーナメント「スーパーカップ」は本場アメリカのバス文化を紹介すると共に、日本のトーナメント黎明期を支えた。

同誌は早くから釣り人が引き起こすゴミ問題や、魚資源の枯渇に対して警鐘を鳴らしていた。全国の釣り場発掘と共に、時には釣り人と漁業者が軋轢を起こす現場に赴いてリポートもし、マナー問題の啓蒙も一貫して行った。同誌によって水辺との接し方を学んだ読者も多いだろう。

また、米誌「バスマスター・マガジン」などからの翻訳記事で、いち早く海外のメソッド紹介や魚の生態研究記事も積極的に掲載した。スライダー・ワームやフリッピング、ウインター・バッシングなど最先端の情報は、情報が少なく「ワームは糸を出して食い込ませろ」などの迷信じみた常識しかなかった当時、アングラーのレベル向上に寄与した。

90年代に入り、バスバブルを迎えると誌面にはトーナメント関連やバスプロの記事が多くなり、読者参加のスペースは少なくなっていく。そしてバブルが崩壊し、害魚論が激しくなった2002年、248号で休刊を迎えた。

だが、雑誌はなくなったが同社はまだ存続している。ウェブサイト「入れ喰いNET」を主宰し、情報発信する一方、04年からはDVD版TACKLEBOXも刊行。広告が溢れる商業ベースを捨て、現代のミニコミとも言えるネット配信へと転身したのだ。サイトには読者投稿が山盛りで、編集部の一貫した姿勢を見るようで嬉しくなる。

前置きが長くなったけれど、一度、TACKLEBOXについてはこうしてまとめておきたかった。僕のバスフィッシングは同誌によって形成されたようなものだからである。メソッドや釣り具の情報は言うに及ばず、環境を大切にしてこそ釣りは成り立つということや、マナーを守って釣り場を含む地域に参加させて貰おうという主張は今でも僕の根っこになっている。

このカテゴリでは、TACKLEBOX誌を中心に、僕が持っている昔の雑誌から時代を感じさせる記事や広告を紹介していきたい。同誌編集部に掲載許可をメールでお願いしたところ、快く了承いただいた。この場を借りてお礼申し上げます。

今回はサワリとして、1986(昭和61)年1月発行の第47号から広告ページをご紹介。広告と言えば上州屋である。見てください。スミス/スーパーストライクFO-60が12,800円とか言うておる。いいい今すぐ10本下さい。とか全国通販窓口に電話したいところだけど、当然もう売ってないので残念だ。

この当時はスーパーストライクの最晩期で、グリップがフジグリップ仕様になっているのも珍しい。また、ヒノウエ/レスターファインもアルミハンドルではないものの15,000円前後である。何で無理にでも買っておかなかったのかと当時の自分を問いつめたい。切ない。

魚探がブラウン管で15万円というのに目を剥く。エレキはそんなに高価ではないが、「電動船外機」という呼び名が時代を感じさせる。「新型ブランクスルーハンドル」という言葉も、何もかもが懐かしい。こうした広告を食い入るように眺めて僕は育った。だからこんな人間になった。

次回からは記事なども紹介します。  


Posted by ポンプ小屋マスター at 20:39Comments(12)史料

2006年09月28日

100記事連続更新

こっそり穴埋め。読む人も少ないと思うのでどうでもいいことを書きます。全面的にナメとるな僕。ごめんなさい。

このブログはとりあえず毎日更新で続けてきて、気付けば60記事以上になっていたことに気付いたのが9月のこと。日記など三日坊主で終わったことしかなく、以前にやっていたサイトやブログでもすぐに更新が途絶えてしまっていた僕としては、奇跡的な継続っぷりだった。

僕は通常の人よりもかなり多量に「まあいいや成分」を含有しているので、そうした自分の飽きっぽさや面倒くさがりな部分をかなり自分に甘く許容して生きてきたのだけど、その僕がここまで曲がりなりにも書き続けていられるのだから、釣りってすごい。

前のブログでは釣りは1カテゴリに過ぎず、転勤などもあって釣行回数も少なかったためあまり熱心に釣りをしていなかった。でも、このブログを始めたことで、釣りの楽しさって何だろうと考えるようになり、すると次から次へと思いが溢れた。自分でも驚いている。

これは、ナチュログでやはり熱い思いや釣りの楽しさを思い思いに伝えてくれるブロガー仲間の皆さんの恩恵が大きい。ネット上とはいえいろんな人と知り合えて、知識も視野も日に日に広がっている。皆さんのコメントが励みになり、また思いが溢れる。心から感謝しています。

50記事を超えたことで、100記事連続更新を当面の目標に設定した。連続は実は途切れてしまっているのだけど、とりあえずほぼ毎日、こうして駄文を書くためのモチベーションになっている。

10月3日現在、これを加えて92記事。あと少しで目標に到達する。その後は特に考えていないけれど、更新頻度を落とすかもしれない。そもそも、お気楽極楽に釣りの楽しみを書いていこうと出発したブログだから、毎日更新にこだわる理由もない。

だが、いつまで続けられるかは分からないけれど、できればまだまだ書き綴っていきたいと思う。僕にとってここは、人生の中で釣りと言う楽しみに出会えたことに感謝できる貴重な場所だからだ。もうしばらくのお付き合いを、どうかよろしくお願いいたします。  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(0)独言

2006年09月27日

朝練【釣行記】

また朝練。明け方はすっかり寒くなった。Tシャツにジャケットを羽織っても澄み渡る風が首の辺りに遠慮なく吹き込み、思わず身をすくめる。これ10月とか11月になったらどうなるんだろ。と毎年思う。その頃には寒いのに慣れるということは毎年忘れている。

と言うわけで遠慮なしの向かい風に身をすくめながら。向かい風?ダメじゃんそれ。エギングにとっては横風の次につらい状況だ。そのせいか、それとも張り切って夜明け前に来てしまったせいか、さっきから何のアタリもない。

まだマズメ時で辺りは暗い。こういう時のノーバイトかつ風って気が滅入る。自分は何をやっているのだろうかと思う。憂き世のはかなさを恨み始める。でも一匹釣れたらあっという間に陰鬱な気分は消し飛んでハイになるのだから、釣りとは麻薬だと思う。

本格的に世の無常を呪い始めた頃、50m近く沖でぱしゃぱしゃっとしょぼいナブラが立った。よくあることで、たぶんメッキだろう、まだそんなに大きくなってないよなと思っていたらいつものナブラより長く続く。規模も大きい。幅20mぐらいにわたってごぼばしゃと盛んにやっておる。

これはメッキではない。メッキなら数匹単位でパーティーを組み、一撃必殺という感じで小魚を海面に追い詰め、小さいながらも派手に水飛沫を上げるはずだ。これはもっとしょばしょばと、例えばオキアミの撒き餌を海面に投入するときのような控えめな音と飛沫である。

じゃあアレだ。小サバかカマスだ。どっちもいいなーうまいし釣りたいなー、よし釣ろう。こんなシャクリの練習ばっかりしてても手首が痛くなるばかりだ。と小さなジグを用意し、すかさずナブラ目がけて投げる。あっさり一投目でぴろりろりりと魚信があって、カマスが釣れた。

しかし20cmない。小さいと思ってはいたが、これでは丸のまま塩焼きにするか、猫の餌にするしかない。それにおかずにするとしたら4,5匹はいないとお腹の足しにならない。カマスはこれで結構、針掛かりしにくく、バレやすいジグで釣るのは難しいのだ。

頑張って釣ろうとジグを投げようとしたら、そのナブラの辺りで突然、ごぼんばしゃどぶんと重低音を含んだ大きな音と共に海面が割れた。すわ。そんな現代語ないけどすわ。これはアレだ、巨大ボラのジャンプ。じゃなーい。明らかにカマスを狙った大きな魚が補食を始めているのである。

青物かシーバスか。とりあえずこんな小さなジグ投げてる場合じゃない。僕は大急ぎでラッキークラフト/ワンダー80を取り出し、その辺りにフルキャスト。高速リトリーブで探る。食ってこい食ってこい。もうカマスなんかいらない。

ところがさっきの一発でカマスの群れは大きく散っていた。30m四方に散らばったその群れのあちこちで、シーバスだかなんだかが捕食を繰り返す。あちらと思えばまたあちら。次はどこで水面が炸裂するか分かったものじゃない。

一つだけ確実なことがあって、それは僕がルアーを投げた場所では間違いなく何も起こらない。必ずあさっての方向でごぼがばじゃばんとやっている。これは今日に始まったことではないが、自分の勝負運の悪さを嘆くにも飽きた。

こういうときは、キャストせずに待つに限る。そして水面が割れた途端、その場所へ目にも止まらぬ早業で投げる手裏剣ストライク。僕はござるござると呟きつつベイルを起こして指に糸を掛けたままの姿勢で、いつでも投げられる体勢で、じっと待つ。次に捕食したときが貴様の最後だぜ。

一流スナイパーの気分で集中力を張りつめつつ待つ。痺れを切らして投げてしまったら僕の負けだ。きっと、またあさっての方角で捕食が起こる。先に動いた方の負けである。剣豪同士の真剣勝負にも似た緊張感を勝手に楽しむ。

気付けば10分余。海面はいつの間にか静かになっていた。先ほどの狂騒と喧噪が嘘のように、音も動きもなくした世界であった。太陽はいつの間にか高く昇り、仕事の始まる時間が近いことを告げていた。

あれ?し、勝負は?そんなもんは魚には関係ないのだった。腹が一杯になって餌がいなくなったからどこかに行ったに決まってる。僕はいつもこうだ。魚に遊ばれてばかりだ。とても空しい気分で大きく溜息をつきながら、せっかくキャスト1秒前態勢だったのでそのまま、大きくキャストした。

その途端、足下でがぼごぼばしゃああんと捕食したので腰を抜かすほど驚いた。完璧に騙された。やはり先に動いた方が負けなのだよ、とがっくり膝をつき勝負の非情さを身に刻み込む。しかし次は見ておれ。この教訓を胸に、その素首今度こそ叩き斬ってくれよう。剣の道は厳しいのだ。

はて。今日は何の朝練だったんだっけ。

Tackle Data:
メガバス/XOR海煙C-83MH+シマノ/バイオマスターMg2500HGS+デュエル/エックスドライブ0.8号+同/フューズフロロ10lbs  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(12)塩水

2006年09月26日

釣り雑誌。

毎月、二十日から二十五日にかけては釣り雑誌の発売日が続く。僕も必ず書店や釣具店に出かけては、どんな雑誌がどんな記事を載せているかチェックする。

今現在、毎月必ず購読しているという雑誌はない。数ある雑誌の中から、面白かったりためになる記事を載せているものを選んで買っており、そりゃそうだ全部買ってたら破産してしまう。僕は活字中毒気味なので、せっかく買ったのに読むところがないというのが一番つらい。だから内容を吟味する。

610円と少々高価だが、よく買うのが「月刊釣り情報」(ミリオンエコー出版)。いくつかの地域版が出ている。餌釣り中心の雑誌だが、各地の詳細なフィールドレポートは他の追随を許さない。ポイント地図や写真も豊富で、あらゆる魚種の釣果情報が克明に掲載されている。

もちろん餌釣りの情報もルアー釣りに役立つ。スズキや青物、イカの釣果はもちろん、例えばどこかの堤防でアジが釣れている。ではアジを意識したメソッドを使おう、などと大きな判断材料になる。バス釣りにだって、落ちアユの釣果などが参考になる。それに単純に読んでいて楽しいので、「釣り情報」(辰巳出版)などいくつかの餌釣り雑誌のうち数冊は毎月、読んでいる。

中に一冊、雑誌ではなくムックの「エギングマガジン4」(岳洋社)が入っているけれど、これはもうブログであーだこーだエギングについて書いている以上、義務というものである。そういえばエギング関連の書籍を初めて買ったような気がする。

ちょっと読んだだけでも、内容の濃さに驚く。あらゆるシチュエーションのあらゆるメソッドが詳細にレポートされ、議論されている。しかもそのほとんどは全国の名人に取材したものだ。重い経験に裏打ちされた言葉で語られる内容は、僕のような万年初心者にとって掛け値なしにバイブルと言える。

読んでいると、いくらでも自分の思い違いや常識のなさに慄然とできる。大きな顔で何を恥ずかしいことを書いておったのかと、今すぐこのブログの烏賊カテゴリを全消去したいぐらいだ。だからあんまり読み込まないことにする。

これは逃げでもあるが、同時に頭でっかちになりたくないという思いもある。僕は本や雑誌で得た知識をすぐ自分の物のように勘違いする名人だから、こんな良質な情報を読んだら影響されまくって分かったようなことを得意げに言い出し、いっぱしのエギンガーを気取り始めるだろう。

自分の体験より知識が上回ってしまうのは不幸なことだ。僕は今、エギングを苦しみつつ楽しんでいるところである。雑誌に書いてある通りにやれば、すぐに釣れるのかも知れない。でもやっぱり、できることなら何もかも自分で悩んで考えて体得したい。これは情報が氾濫するバスフィッシング界で得た教訓である。

その結果、どの雑誌にも書いていて子どもでも知っているようなことしか見つけられなかったとしても、それはそれで面白いのではないかと思う。自分なりに工夫して真実にたどり着く課程をもっと楽しみたい。このブログは、その課程のとんちんかんぶりを読んで笑っていただく場所であればいいと思う。

だから僕は、買ったけどこのムックを熟読しないように努めている。走り読みするだけでももう既に2,3点、ああそーだったのかと蒙を啓かれた事柄があるのだ。恐ろしい。できれば定期的にざっと眺めて、自分との「答え合わせ」に使いたい。そして自分なりに自信ができたころに熟読して、自分の未熟さを確認できればいい。

他の2誌は以前に毎月のように購読していたものである。「Sports & Fishing News」(フィッシュマン)はルアー系なんでも雑誌で、バス関係はトップ系が多い。一時期はリリース禁止や害魚論に対して先頭切って論陣を張っていたので、応援のために買っていたが、最近は迷走しているようにも感じる。

バス問題については稿を改めて書きたいので控えるけれど、同誌は読む限り、バス問題への反論として、バスという魚の価値を知って貰うために、そしてこれ以上、バス以外に釣りの対象魚をやり玉に挙げさせないために、釣りというものの楽しさ、プレジャー性をアピールするという方針を取ってきたと思う。

特に琵琶湖のリリ禁以来、トッパー系を中心とした釣行記や、釣り道具やルアーをものづくりの視点で書く記事が増えた。釣りの楽しさは結局、釣りをしてみなければ分からないからで、その楽しさを、魚の価値を知らない人がバスを攻撃している。だから釣りにはこんなに文化的にも価値があるんだ、釣り人はこんなに楽しんでいるんだという姿を積極的に見せようとしたのだろう。

それはいいことだ。ただ、そのアピールが釣り人以外の、他者へのものでないのが残念だ。前述のようなアピールは釣り人以外に対して行ってこそ効果があるものだろうと思うが、同誌だけでなく釣り雑誌のほとんど全てが、釣りをしない他者からの視点が欠けているように感じる。

もちろん釣り雑誌だから本来は釣りのことだけを書いていればいいのだけど、このままでは釣り人だけが「釣りって楽しいね」と言い合って楽しんでいればいいという狭い殻に閉じこもってしまうような気がする。そして過去にも、他者の視点や、釣り人の社会的な立ち位置を確認せず、釣りという閉鎖的な楽しみに閉じこもってきたからこそ、バス問題をはじめとする軋轢が起こってきたのだ。

もはや環境的にも、社会的にも、釣り人は身勝手に釣りを楽しんでいられる立場にはない。釣りを続けたいなら、積極的に社会との関わりを持って、釣りができる、釣り人が楽しめる環境を地域との合意の上で形成していくしかない。

無茶な注文のようだが、メディアには釣り人を代表する責務があるのだから、どうか狭いコミュニティの中に釣りを押し込めないでほしい。自由に釣りをするために、釣りに対する思考も自由であってほしい。自らの影響力をもって釣り人をいい方向に導いてほしい。釣り人が社会的な立場を確立するための道筋を見つける道標になってほしい。

なんかまた熱くなって困った。「Rod & Reel」(地球丸)についても言いたいことは山ほどあるんだけど、また次の機会にするしかなさそうだ。こうしてメディアに対して熱くなるのも、釣り関係メディアで働きたいとの少年の頃の夢がかなえられなかったための僻みだと思う。実に醜い。

岡目八目で注文をつけるのは簡単なのだから、基本的には毎月僕たちを楽しませてくれる釣りメディアの皆さんに敬意と感謝を表して、僕は来月もいくつかの釣り雑誌を購読するだろう。願わくば面白くてためになる記事を読ませてください。これからもずっと。  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(16)道具

2006年09月25日

乗った?【釣行記】

ふわっと竿先から重力が消えた。反射的に強シャクリを入れる。ぐみっというわずかな重みを最初に感じただけで、後はバランスを崩した餌木がダートする心許ない手応えだけが残った。また乗らなかった。もうこれで三度、同じことを繰り返している。

いつもの堤防を離れ、珍しく別のポイントに来ている。小さな船溜まりを包む両腕のような小さな堤防と、そのそばにある岩礁帯。せいぜい2~3人しか入れない、本当に小場所だ。こんな場所で釣れるとは思わないのか、来る人はほとんどいない。

当地はエギングのポイントが思いの外少ない。堤防が少なく、地磯は険しい。それでもイカが釣りたい僕にとって、新しいポイントの開拓は急務と言える。新子ですらぽつぽつとしか釣れないいつもの堤防を見切って、今日から足で探ってみることにした。

ここは、水深は足下で2~3m、沖側で5mないぐらい。わずかに藻場があり、砂地の中に岩礁が点在している。問題は決定的に水深が浅いことだ。せめて10mクラスのディープが狙える距離にあればいいのだが、現状では沖から気紛れに上がってくる個体をぽつぽつと釣っていくしかない。

ここは以前にも来たことがあるので、そういう地形は頭に入っていて、さほど期待もしていなかった。一応チェックするという感じで入ってみたら、一投目から上記のようなバイトに遭遇した。イカがいることは確かだ。だが、乗らない。

餌木の重みが消えるのは、イカが餌木を離したということなのか。それ以前にイカが乗っていることが分からないのは、餌木のフォールと同じ速度で、餌木を抱きつつイカが移動しているからだろうか、と仮説を立ててみる。

そうであればフォールの速度を変えてみよう。それまでの林漁具/餌木猿3.5号から同/ボーイングスペシャル3.3号にチェンジ。フォールはこちらの方が遅い。3投目、わずかにもぞっと重くなる。どしんと合わせたら上がってきたのは200g級だった。

リリースして、さっきから触っていたのはこいつだったのかと考える。できれば違うと思いたい。さっきのバイトにはもっとセンシティブな、狡猾な匂いがした。何より、この200gは中層で乗ってきたが、さっきのは底付近だった。もっとデカいやつが、餌木に乗っていることを気付かせないような頭のいい奴が、この海底にはいるに違いないのだ。

念のため、中層を広く探ってみることにする。ヤマシタ/エギ王Q速3号に替えて、中層をハイピッチショートジャーク。激情型の神主さんよろしくびしばしと竿を振り回していると、ジャーク中に表層付近で200g級が連発した。

やはり、中層はこのサイズだ。ことごとくリリースサイズしかいない。正しい秋の姿なので、記念にもう1ハイ釣っておいて、さてと考える。数釣りはしない。狙うのは700g級以上である。何より神主ダンスは海煙でやるもんじゃない。腕が抜けちまう。

エギ王Q速で底を中心に攻めるが、反応はない。餌木猿のカラーやフォールスピードが合っているのだろうか。餌木猿に替えると、たまに冒頭のようなバイトが現れる。時には餌木をわずかに引っ張るようなこともあるが、やはり乗せられない。

餌木猿でしかバイトはないが、しかし餌木猿では前アタリが取れない。十数投に1回のアタリを、確実に乗せるにはどうすればいいのだろう。

日没が近づいた。もう時間はないと焦る中、やけっぱちで思いつく。フォールでアタリが分からないなら、フォールさせなければいいのだ。

具体的には、着底後に2段ジャーク。餌木猿は約10秒で着底するので、5秒フォールして、できるだけ餌木を動かさないようにちょんっと小さいトゥイッチ。次は3秒フォール。小トゥイッチ。要するにイカが乗っただろうという瞬間を予想して聴いてみるのである。非常に原始的だが、これしか手がない。

フォール・・・んー・・・乗った?違うか・・・フォール・・・ねえ乗った?まだかよ・・・フォール・・・今乗った?ねえ乗った?

こうして言葉にしてみると何つーか非常にウザい。数秒おきに乗った?乗ってない?と訊かれるイカの身にもなってもらいたい。僕だったら嫌気が差して逃げる。そもそもこんなフォール中断ばかりでイカが乗ってくるかどうか不明である。でも僕は頭が悪いのだから見逃して欲しい。

そしたら十何度目かのウザい「ねえ乗った?」に「乗ったようるせえな」という答えが帰ってくるのだから世の中、捨てた物ではない。そっと聞いてみたティップにわずかな重みと身動きが伝わった瞬間、僕は竿も折れよと馬鹿強シャクリ。ずどんとロッドが曲がった。

ついに奴を仕留めた。ウザくても何でもやってみるものだ。僕の想像通り釣れたのだから、きっと大きさも想像通りそれなりのサイズであろう。と思ったらあにはからんや、相手は簡単に寄ってくる。上げてみるとキープサイズぎりぎりの400g級であった。

うーんと、まあ、確かに中層の奴よりはサイズがいいし、この勝負は僕の勝ちかな。しかしながらこの何だか割り切れない気分は何だろう。このサイズに血道を上げていた僕の立場はいったい何だろう。納得いかん。

どうしていいか分からなかったので、僕はイカに「ねえ今乗った?」と駄目押しで聞いてみた。イカはついにキレて、「お前マジうぜえ」とばかりに墨を盛大に吐き出した。そんなに怒るなら乗らなきゃいいのにね。変な人。とか言ってる僕がマジでウザくなってきたので本日は納竿。

Tackle Data:
メガバス/XOR海煙C-83MH+シマノ/バイオマスターMg2500HGS+デュエル/エックスドライブ0.8号+同/フューズフロロ10lbs  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(6)烏賊

2006年09月24日

シーバス用【Buy】

楽しみにしているのに、まだシーバスの季節にはならない。朝夕はだいぶん涼しくなったとはいえ、日中はまだ夏の日差しだ。なかなか水温が落ちない。

当地では本格的シーバスシーズンは例年、11月からとしたものではある。だから僕は毎年、10月まではバスとイカを楽しんで、それが釣れなくなってから満を持してシーバスへ移行するのが通例だけど、やっぱり秋のにおいをかぐとそわそわしてしまう。

おっさんがそわそわしていても気持ち悪いので、鬱憤を晴らすべく少し買い物をしてみた。港湾ならそろそろフッコサイズもちらほら見えてくるので、そういうルアーを補充する。そのうち、これらを持って夜中に出かけてみようと思う。

7~9cmシンキングミノーはシーバスだけでなくあらゆる魚に使えるので、ストックはそれなりに持っているけれど、やっぱり新しいのもたまには試してみたくなる。新定番となりつつあるラパラ/X-RAP XR-10にシンキングバージョンが出ていたので買ってみた。

エックスラップといえばラリー・ニクソンが開発したジャークベイトで、ダートのキレは史上最高という。僕が使うシンキングミノーはジャークとただ巻きの2種類で、ジャーク用は長くメガバス/X-80SWばかり使っていたけど、どんな風に違うのかちょっと楽しみだ。

何たってこれ、リアフックにフェザーがついている。ナイトゲームでつかうようなルアーではないかもしれないけど、とりあえず面白そうだ。ダメならデイゲームかバスで使おう。何にしろ、ラパラだからつれないことはあるまい。

もう一つのミノーはボーマー/シンカーロングA。こちらも定番だが、今まで使ったことはなかった。フローティングのロングAならこの20年、タックルボックスから欠かしたことはない。きっとシンキングもやってくれるはずだ。オフトバージョンで「ヒロ内藤おすすめ」というキャッチコピーが購入の決め手となったのは言うまでもない。

マリア/ブルースコードC115は港湾というよりは川や干潟のシャローゲーム用。僕はC90を偏愛するが、このC115は25gあって河口の大場所でもいけそうだ。

シンキングペンシルと言えば一般的にはラッキークラフト/ワンダーなどの人気が高いが、ブルースコードほど流れの変化を敏感に感じ取れるルアーも少ない。ゆっくりラインテンションを保って引いてくるだけで、水流の変化を勝手に探してくれるという印象すらある。

極端な話、適当に投げて巻いてくるだけでいい。水ヨレや流芯に差し掛かると、はっきりとルアーの重みが変わる。ルアーが反転したことも分かる。ナイロンラインでも分かってしまう。そしてそういうときにバイトは集中するから、重みが変わればバイトに備えればいい。

よほどの大場所でなければC90で問題ないのだけど、店頭在庫がどの店でも少ないのでC115でもいいやと買ってしまった。これで晩秋のメーター級を、と思うと胸が高鳴るというものである。

最後はウォーターランド/スピンソニック。テイルのブレードがウイローリーフのバージョンがあったので衝動買い。堤防の常夜灯に照らされた明暗部分を早引きして、プラグには興味を示さないシーバスのスイッチを入れようとの目論見である。14gなので浅いレンジで使おうと思う。

いつの間にか、シーバスのルアーはバスと同じぐらい種類が増え、メソッドも飛躍的に多くなった。それだけ研究が進んだのだろう。今まで釣れなかった魚も、ルアーとメソッドを選べば釣れる可能性がある。

昔はどこへ行ってもラパラCD-9~11をただ巻きするしか手がなかったが、今では好みの場所で好みの狙い方ができる。喜ばしいことだ。ルアーを買う僕にも力が入ると言うものである。まあでもどっちにしろ、なかなか釣れないんですけどね。もしくは、なかなか思い通りに釣れないと言ってもいい。

ここ最近の僕の認識は、シーバスとはレンジの釣りである、というものだ。要するにシーバスが何mラインにいるかが重要であって、魚がいつでもついているピンポイントでも、有効レンジをきっちりトレースしなければ反応を得るのは難しい。

ポイントを絞るのも難しいのに、そこに縦の要素が入ってくるのだから、なかなか釣れないのも道理である。そう考えて僕はいつも自分を慰めるのだけど、最近は前述のように釣るための手段が多くなっているものだから、釣れなければ違うルアーを買えばいいじゃない。と購買欲に拍車がかかるというのもまた道理である。いろんな意味で本格シーズンが待ち遠しい。  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(8)塩水

2006年09月23日

頭を使う【釣行記】

朝、釣りに行く試みは続いている。正確に言うと、朝、釣りに行くために早く起きようとする試みであって、あくまで試みである点がポイントだ。実際には布団と会話ばかりしてなかなか起きられない。

春眠暁をなんとやらと言うが、秋だってなかなかの実力がある。目覚めるとちょっとだけ肌寒く、薄い布団が極上の温もりに感じる。涼しいから寝苦しいこともない。気持ちよく朝の新鮮な空気を呼吸しているうちに、それが寝息に変わる。秋の朝は恐ろしい。

だが、だからってぐーすか寝てる場合じゃなーい。僕は魚を釣りたいのだ。正直言って九月に入ってからろくに釣果を上げてない。天候が悪くて厳しい状況が多かったこともあるけど、何だかもうとても魚の感触が恋しい。

だから今日は睡眠を欲する体に鞭打って無理やり午前5時に起きた。どれくらい無理やりかと言うと、気がついたら釣り場に着いていたというぐらいで、起きて着替えてという記憶がまるでない。自分が恐ろしい。この間に何か犯罪を実行している可能性があると言われても覚えてないから反論できない。被害者は申し出ないでほしい。

今日はH川である。とりあえず魚の感触が欲しいといえばバスが手っ取り早いだろ、と言うと非常に身の程知らずに聞こえるけど、僕にとってイカやシーバスよりはまだ多くのパターンを持っているというだけの話である。魚の顔を見られる可能性が他に比べて少しは高い。

だがそんな僕の思い込みはまさに身の程知らずで、しばらくはなかなか反応がない。今日の川は水位、水質ともに安定しているが、ベイトフィッシュの数が少ない。夏はまるで雨のように小魚のライズがあったものだが、今日の川面は静かだ。

朝は義務と権利のようにトッププラグを投げるのだけど、メガバス/Dog-Xに一度だけ岸際でぽちゅっという吸い込み系のバイトがあっただけ。どうにも魚っ気が感じられない。二カ所ほど場所を替え、とある中規模の流れ込みでやっと小魚の群れを見つけた。

今日も仕事たる僕は、出勤までもうあまり時間がない。ここでトップで釣れば格好いいけど、とりあえず魚の顔を見ることを優先することにする。クランクベイトを数投した後、タックルをスピニングに持ち替える。

最初からゲーリーヤマモト/ヤマセンコー3"を投げるのも大人げないので、たまには違うものを投げてみる。サワムラ/バレット3"。同じじゃねえか。でも少しだけ違う。バレットはダートにキレがあり、動きやフォールがセンコーより少し早い。ベイトフィッシュに着いている活性が高いバスを狙うためのシフトチェンジだ。

とか言いつつも要するにやることは同じであって、流れに乗せて少し沖側のちょっとしたブレイクを探っていたらラインがするするっと動いた。スイープにフックセット完了。だばだばと、活性が高い割にはあまり抵抗も見せずランディングしたのは、31cmであった。

うん、釣れた。じゃなーい。ちゃんと釣ったのにこの感動の薄さは何だ。どうやら僕にとって小棒メソッドは釣れて当たり前の状態になっているようで、小棒をこうやってあそこに流せばバスが釣れる。ということに何の疑いもない。作業じみている。

これではいかん。釣りを舐めている。もっと頭を使って知恵を絞って思考を巡らせて、って全部同じ内容だけど、とにかく真剣に釣りをしなければいかん。せっかく早起きしてるんだ。釣りぐらいはびしっとやりたい。だらだらやってるのは仕事だけでいい。

今日のスピニングは久々にメガバス/F2-611XS(2ps)で、長い分パワーがあるのも釣趣をそいでいるのかもしれない。長いからラインメンディングも容易で、思った通りにできるのはいいが、それに甘えてしまって適当な釣りをする自分が問題なのだ。

ここはひとつ、あまりやらない釣りをしよう。そしてきっちりと魚を獲ろう。釣れてるんだからそのまま喜んでりゃいいと思うけど、これはゲームである。自分が楽しまなくては意味がない。そしてゲームにはルールや制限があるから面白い。なければ自分で作れば良い。

とりあえず手持ちのルアーで何ができるかと考えて、タックルボックスの中を見る。そして絶望的な気分になる。この馬鹿は数個のプラグと、3"~4"のワームしか持ってきていない。朝の短い時間だから普通に考えればこれで充分だけど、新しい展開は望めない。

そうこうしているうちに時間が少なくなってきた。できれば新しい展開でもう一匹釣りたい。僕はベイトタックルにまた持ち替え、ズイール/テラー3/8ozを皮切りに手持ちのプラグを総動員して探ったが、反応は無かった。バスは確かにいる。でも活性はそんなに高くないようだ。

やっぱ小棒でしか釣れないのかなあとやや暗澹としながらふと下流側に目をやると、岸際にウイードの一群が見えた。流れ込みからの水流が当たるか当たらないかの場所で、ウイードの際からえぐれていて少し深くなっており、その深さでフラットが張り出している。小魚の群れもいる。

ウイード、フラット、止水、小魚は9cm以下。ここで何ができるか考えてみる。トップは無反応。クランクベイトは根掛かる。スピナーベイトだ。そして水面バジングだ。ウイードエッジに沿って流せばバスがもんどりうって出てくるに違いない。

浮きやすさでメガバス/V-FLAT miniを選択。少しシェイクのようにティップを揺らしつつ、ブレードが水面に出るか出ないかのところをできるだけスローに引いてみる。2投目、ウイードにぎりぎりのラインでばしゅっと出た。近距離だったのでがつんとフックセットするが、すっぽ抜ける。

次のキャストでも同じところで出たが、また乗らなかった。何だよもう。秋バスならもっとアグレッシブに食ってこいよ。どうもまだ水温が安定していないのか、気温の変化が急激なためか、そんなに活性は高くないようだ。

釣り方は合っている。だが答えが出ない。それならもっと食いやすくしてやればよい。僕は急いでゲーリーヤマモト/4"シングルテイルグラブをノーシンカーにリグって投入した。もちろん、水面を引いてテイルでアピールする。すなわちグラビンバズである。

ぴろぴろとエッジを泳いできたら、1投目で答えは出た。それまでのばしゅっという弾くようなバイトから、ごぼんと飲み込むような食い方。余裕を持って重みが出るまでラインを巻き取り、強く引き込むように合わせる。バスが反転して走り出した。

やっとゲームが成立したような気分で、やり取りも心楽しい。足下の突っ込みもいなし、確実にランディングした。40cmジャスト。このサイズがあの場所にいたということは、すっかり秋だと認識していい。夏ならば涼しくてプレッシャーの掛からない流芯などにいるはずだ。

頭を使ったというほどではないけれど、一応は狙いの通り釣った。スピナベで釣れていれば文句なしだったが、贅沢は言うまい。結局はワームでも、少し目先を変えるだけで満足度が違う。要するに自己満足だが、個人的なモチベーションは間違いなく上がる。

これからしばらくは、毎日のように状況が変わる。それを読み取って、狙って釣りをして行こう。面白がれなくては釣りではない。いつも同じような釣りをしないよう、できるだけ努力しよう。他の誰でもない、自分の面白さのためである。

というところでいい時間になったので、僕は竿を納めてクルマに帰る。ボックスをトランクに仕舞う前に、入っているルアーを確認。ヤマセンコー3"が少なかったので、車載のストックから足しておいた。なんかもう話の流れ的に台無しだけど、それはそれ、これはこれである。人間とはかように生き方を変えられない生き物なのである。僕だけかもしんないけど。

Tackle Data:
メガバス/F2-611XS(2ps)+ダイワ/ルビアス2004+ポパイ/Pbフロロ5lbs
ダイコー/ギャレットGLC-632M+シマノ/カルカッタ・コンクエスト50+サンライン/GT-R12lbs  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(10)釣記

2006年09月22日

スピニングリール。

前にベイトキャスティングリールについて書いたから、スピニングリールのことも書こうと思う。

僕がスピニングリールを選ぶときの基準は「そこそこ」だ。具体的には、ハイエンド機種はいらない。そこそこ軽くて(250g以下)、そこそこ回転が滑らかで、そこそこトラブルが少なければそれでよい。メーカーは問わない。最新機種でなくてもいい。

これは、日本メーカーのスピニングリールの性能がほとんど頭打ちといってもいいぐらい進化していることが理由としてある。ハイエンド機は確かに素晴らしいだろうが、セカンドライン以下でも釣りをするのに充分以上の性能を持っており、使っていて不満が出ないからだ。

ドラグ性能については、フロロ5lbsラインが中心なので極限までのシビアさは必要ない。ライントラブルはフェザリングで常にケアしていればほとんど問題ない。そういうことなら安物でも充分なのだが、では何に対して出資するのかといえばほとんどは軽さである。

特にライトリグが中心となるので、リールは軽ければ軽いほどいい。微妙に浮かす、静止させるという操作において、手元が軽ければストレスが激減する。タックルが重いと、その慣性が動作に影響し、どうしても操作が大雑把になってしまう。感覚的な問題も大きいが、手元がブレていると微妙なバイトを取ろうという気にもならなくなる。

今は2万円以下でアンダー220gのリールが手に入る。いい世の中になった。僕は昔からバッシングスピンというカテゴリが好きだけど、そういう「投げて巻く」を含めた釣りでも軽量さは疲労の軽減などに大きく影響する。

実際に所有している、日本メーカーの現代的な機種を書き出してみる。

ダイワ
ルビアス2004  バス用のライトリグのメイン。トータル性能が素晴らしい
カルディアKIX2506  シーバス、エギングに。ノーマルではPE使用時にトラブルが気になる
カルディア2500  かつてのシーバス、エギングのメイン。必要にして充分な性能
シルバークリークS2004  かつてのバス用メイン。今も車載機として活躍中
トーナメントX1500iA  長くバス用で活躍。ドラグ性能は秀逸。少しくたびれたので休憩中

シマノ
ツインパワー3000MGS  ナイロンラインを使うバス用。海水不可なのが残念
バイオマスターMG2500HGS  エギングのメイン。トラブルレスと軽さに驚くほど

リョービ
イクシオーネ1000i  頑丈さが魅力。かつてはナイロンラインでバス、シーバス問わず活躍
ザウバーVS700Zi  重さだけがネック。あとは充分な高性能。小物釣りに

大した機種はない。ベイトに比べれば非常に常識的で、ある意味つまらない。数が少ないのは、バス用なら持って行くスピニングタックルはほとんど一本だけだし、ソルトでも一本しか持ち歩かないからだ。使い回して何の問題もない。つまらない。

ライトリグが好きなら一つぐらいはハイエンド機を持っていてもいいような気はするが、それを考える必要もないほど現状には満足している。

スピニングの場合、飛距離や使い心地はメーカー、グレードによってそう変わるものではない。ベイトキャスティングはそこが一台一台違うのでついいろいろと欲しくなるが、スピニングはスプール径がある程度大きく(ダイワ、シマノともに2000番以上)、糸巻き量を適正にセッティングすればほとんどの機種でストレス無く使える。

だから僕はもうこれ以上、所有スピニングが劇的に増えることはないと思う。いま使っているものが壊れたり古くなれば更改する程度だ。あとはシーバス用に3000番程度のものが欲しいぐらい。

具体的にはカルディアKIXかツインパワーか悩んでいたり、それでも少し重いのでどうせなら思い切ってセルテート買っちゃうかと思ったり、一台ぐらいステラ持ってても罰は当たらないよなとか思ったり、そういえばエギング用にもう一台あってもいいかとか思ったり、ちっとも増えることはないということがなさそうなので僕は相変わらずだと思う。  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(10)道具

2006年09月21日

家にいると

仕事が立て込んでいる。夕方どころか夜まで忙しく、仕事帰りに釣りになど行けそうにない。なんかもうアレだこの巡り合わせの悪さが僕を象徴している。せっかくいい季節になったのにね。

なのでまた早起きしようと思って、釣りなら早起きも苦にならないよ!と思って、今日も午前5時に目覚ましを掛けてみたけど、さあ起きようとか思ったら少し寒い。

ああやっぱもう秋なんだとか呟いたら布団がそうだね、秋だね。秋といえばさあとか面白トークを始めたので、つい聞き入ってしまいはっと目を覚ますと午前8時だった。布団の言うことなんて耳を傾けなければ良かった。しかし布団と話すと言うのも超能力っぽくて素敵である。ねーよ。

でも、そんな合間を縫ってやっぱり僕はちゃっかり釣っちゃってますよ。新鮮な獲物をゲットしちゃってますよ。

猫だけど。

これがまあよく釣れる釣れる。入れ食い。猫じゃらしはダイソーの鶏の羽根がついているやつと、ホームセンターで買ったゴムひもに毛玉がついてるやつに実績がある。最初は入れ食いだけど、しかしいつまでも同じように誘ったのではそのうち食いつきが悪くなる。そこで見せ方を変えたり、鼻先に持って行くタイミングを変えたりするとまた新鮮な効果が現れる。

羽根ものは動きが大きく、アピールが高いので先発させることが多い。メソッドとしては、まず遠くでゆらゆらと動かして、一旦静止。短い距離を突然、ぱっと動かすと飛びついてくる。いわゆるストップ・アンド・ゴーだ。柱や机などのストラクチャーに沿って見え隠れさせるのも効果が高い。存在感が大きいものが明滅したように動くのがいいのだろう。

ボール状のものは早く動かすことが出来るため、リアクションバイト狙いに最適だ。ターゲットを直撃すると怯えさせることもあるので、少し遠目に投げて興味を引きつける。活性が高い時はストレートリトリーブが一押し。興味をなくしたと思ってもホットケメソッドで食いついてくることもある。ナチュラルな動きはオールラウンドに強い。

活性の低い時には毛が長いルアーの方が効く。ボトムでゆらゆら動かして短い移動距離で誘う。どうしても食いが悪い時はフォーミュラを使えばいい。すなわちマタタビ。バークレイのオイルでもここまでの効果はないだろう。バイトしてから離すまでが断然長い。なかなか離さない。欠点は興奮して暴れるのでランディングが難しいことだ。

なんだほとんど魚と同じじゃん!

馬鹿なことを言っていると最後はじゃらされて興奮しまくった猫に腕をひっかかれて悲鳴を上げることになるので、釣りに行けないストレス発散も大概にしといた方が良い。でもこういうことにもいつしか熱中して猫を誘ってしまうというのもある意味、釣り欲の表れなので悪いことじゃないかも知れない。

とか言いながら、ワーム使った方が効果的かな針は外して、でも万が一飲み込んじゃったら大変だからラバージグの針折れた奴使うかなーなどとライン結んじゃったりして、真剣に猫釣ってる場合じゃなーい。そして最後は興奮した猫が腕ばりばり。悲鳴を上げて泣きを見る。やっぱり釣り人は家にいるとろくなことをしない。  


Posted by ポンプ小屋マスター at 23:58Comments(12)独言

2006年09月20日

朝に【釣行記】

晴れた途端に仕事が忙しくなるのは、何かの陰謀に違いないと疑心暗鬼に余念がない僕だけど、時々どばっと集中的に仕事が忙しくなるのはよくあることだ仕方ない。でも釣りに行けないね。困ったね。

それならそれで早起きして釣りに行っちゃうんだからちっとも困ってない。現金なものだ。いや何か違うな。身勝手なものだ。こないだまで朝早く起きられないとか故障を申し立てては惰眠を貪っていたのにね。

とりあえず午前6時に海に着く。とっくに日は昇っている。よく考えれば世間様的にはちっとも早い時間じゃないけれど、いつだって出勤ぎりぎりまで寝ている僕にとっては劇的な早起きには違いない。爽やかな潮風が頬を撫でる。いいねえ。生きてるねえ僕。

どんどん餌木を投げてはシャクっていて、足下をふと見ると久々にイカを視認した。いち、にい、・・・4匹。200g前後だろうか、テトラの上辺りを無邪気におっかけっこしておる。

こいつたちを釣るつもりはない。せめて倍ぐらいにならないと手は出さない。それよりもやっと、新子の群れを見たのが嬉しい。ことし初めてである。やっと海が秋になったのかも知れない。

君たち、おっかけっこの邪魔はしないからどんどん大きくなりなさい。できれば2kgぐらいに立派に育ってから、あのときは見逃してくれてありがとうございましたとお礼に僕の餌木に乗りなさい。約束だよ。

などと虫のいいことを考えつつ気付けば1時間。何のアタリもない。潮の加減かイカの機嫌か。昼ごろの干潮に向けて潮は動いているけれど、何も返答がないんだから仕方ない。僕はシャクりの練習に飽きてフォール中、ふと足元を見た。

まだ新子のグループはそこにいて、波に漂ったり鬼ごっこをしている。無邪気なものだ。しかしねえ君たち、ちょっと暇だとは思わないかね。その、なんだ、良かったら僕と少し遊んでみないか。なあに心配することはない。ちょっとこの餌木に乗ってみるだけだ。すぐにおうちに返してあげるから。

いかん。これでは変質者だ。しかもロリ入ってる。即座に逮捕である。しっかりしろ僕。捕まるな逃げろ僕。とかワケ分からんことを言いつつフォールしきったところで強シャクりを入れてみる。ずむんと竿が曲がった。おお。イカおった。

しかも結構、強い引きである。これはいい型かもわからんね。やっぱチビにかまってる暇はない。ぐいぐいと海煙のトルクでイカは浮上してくる。そら、ざばあと海面に出るぞ、というところで突然、ふっと軽くなった。

あああああ。やっちまった。久々のバラシだ。触腕だけ乗っていたのかもしれぬ。情けない気持ちで餌木を回収してみると、案の定だった。おみやげに触腕だけが残っていた。すなわちゲソのみ。これほど情けない獲物も他にないといつも思う。しかも小さいじゃねえか。

やっぱりアレだよ、集中力を欠いていたんだよ。足下の子どもたちに気を取られてる場合じゃないんだよ。いつだってモンスターハンティングは真剣勝負なんだ。っていつの間に僕がモンスターハンターになったのか知らないけど、触腕をなくしたイカに謝りつつ、僕はキッと海を見る。馬鹿にしやがって今に見ろ。今すぐ3連発ぐらいしてやる。

モンスターハンターたる(だから)僕が本気出したらこんなもんじゃない。もうゲソなんて釣らない。この海のイカ資源を根こそぎ釣りまくってペンペン草も生えないようにしてやる。後悔しても遅いぜ。うははは。

もちろんオチとしてはここで2号の餌木を結んで足下に落とすのであって、なんでやねーん結局チビ釣ってんのかよーというツッコミを待ってうずうずしつつ、誰がツッコミ係なんだよというセルフツッコミを入れつつ、僕は海中を笑顔で覗く。

海中に新子の姿は消えていた。

ああまあこんなもんだよな。児童虐待で通報されるよりマシだよな。しかしこの、ネタが空振った時って釣れないよりイタイよな。とかしみじみ思う朝。もうすぐ仕事の時間です。

Tackle Data:
メガバス/XOR海煙C-83MH+シマノ/バイオマスターMg2500HGS+デュエル/エックスドライブ0.8号+同/フューズフロロ10lbs  


Posted by ポンプ小屋マスター at 00:24Comments(12)烏賊