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2006年09月29日

TACKLEBOX【書籍紹介】

昨夜は飲み会だったので、周到たる僕は夕方までに記事を書き上げ、時間指定投稿で保存。これで安心だと思ったまま酔っぱらって帰ってきたら新しい記事はどこにもなく、驚愕の余り僕は冷蔵庫のビールを一気飲みしてってまだ飲むのかよ。どうやら間抜けにも記事を保存し損ねたらしい。

こんなことで毎日更新が途切れてしまうのは本当に阿呆らしいけど、それも自らの愚かさを呪うのみである。まあ飲み会から帰ってきたのが午前3時というのがそもそも間違ってるんだけど。深夜に何をする気力もなく、そのまま潰れてしまった。せっかく見に来てくれた方には誠に申し訳ありませんでした。後で昨日の分をこっそり何かで穴埋めしておきます。

改めて、昨日アップするはずだった記事を更新します。

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昔の雑誌を紐解くコーナーを作ってみよう。1985~2000年ぐらいまでの間に、僕が購入して今でも保存しているものから抜粋して紹介していく。さすがに散逸したものが多く、手持ちは少ないが、バスフィッシングを中心にその歴史や当時の雰囲気をいくらかは伝えられると思う。

TACKLEBOX【書籍紹介】所有している中で、最も古く、量があるのは僕が少年時代に愛読していた「TACKLEBOX」(フリーウェイ)である。まず最初に、同誌についていくつかの事柄を述べたい。

同誌は1981年春創刊。大学の釣りサークルメンバーが集まり、当時ブームになろうとしていたルアー・フライフィッシングの情報誌を目指して始まったという。当時、学生たちの間ではあらゆるジャンルのミニコミ誌が隆盛となっていた。

1976 年に目黒考二と椎名誠が創刊した「本の雑誌」がその起爆剤となった。権威も金も持たない学生たちが、自分たちの感性でコミュニケーションの輪を広げていくこうしたミニコミ誌は、それまで商業ベースに乗らなかったコアな趣味分野を自由に語り合い、情報交換できる場として若者たちを中心に大きな支持を得ていった。

「カウンター・カルチャー」や「インディーズ」という言葉が象徴する80年代において、若者の自由な表現の場としてミニコミ誌は隆盛を迎える。「ぱふ」「ロッキング・オン」「宝島」「広告批評」「ビックリハウス」などはその後、商業誌としての地位を確立した。ポップなコラム文体、イラストや写真を多用した斬新な紙面構成は大手出版社が「ポパイ」などのコラム誌を後追いで創刊するなど、出版界の新たなムーブメントになった。

この流れの中で創刊されたTACKLEBOXは、読者投稿を積極的に募集し、プロでもない編集部の人間が実釣レポートを頻繁に行うなど、それまでの釣り雑誌にはない等身大のスタンスを取った。若年層が多かったルアー/フライアングラーにとって、この雑誌の登場は福音と言えた。

従来の釣り雑誌は釣り宿の釣果報告や仕掛けの紹介などがメインで、堅苦しくどこか「漁」の雰囲気を残していた。また、ルアー/フライの専門誌もほとんどなく、この釣りに憧れる若者たちは情報に飢えていた。同誌は読者との垣根が低いミニコミ誌という出発点のメリットを存分に生かし、次第に大きな支持を得ていった。

また、当時は第二次バスブームのころで、日本製の釣り具やルアーが続々と育ち始めていた。代表格がズイールで、柏木重孝氏のハンドメイドから始まった同社のルアーは当初、関東の2,3のショップでしか販売していない、まさにインディーズ製品だった。柏木氏は早くから同誌に登場し、同誌と歩調を合わせるようにズイールは成長していく。

また、村田基氏や伊東由樹氏らも無名時代から同誌に連載を持つなど、バスフィッシングの伝導役となった。同誌はそうした人材を育て、日本のバスフィッシング文化を育てた一翼を担ったといえる。85年に初めて開催された同誌主催のバストーナメント「スーパーカップ」は本場アメリカのバス文化を紹介すると共に、日本のトーナメント黎明期を支えた。

同誌は早くから釣り人が引き起こすゴミ問題や、魚資源の枯渇に対して警鐘を鳴らしていた。全国の釣り場発掘と共に、時には釣り人と漁業者が軋轢を起こす現場に赴いてリポートもし、マナー問題の啓蒙も一貫して行った。同誌によって水辺との接し方を学んだ読者も多いだろう。

また、米誌「バスマスター・マガジン」などからの翻訳記事で、いち早く海外のメソッド紹介や魚の生態研究記事も積極的に掲載した。スライダー・ワームやフリッピング、ウインター・バッシングなど最先端の情報は、情報が少なく「ワームは糸を出して食い込ませろ」などの迷信じみた常識しかなかった当時、アングラーのレベル向上に寄与した。

90年代に入り、バスバブルを迎えると誌面にはトーナメント関連やバスプロの記事が多くなり、読者参加のスペースは少なくなっていく。そしてバブルが崩壊し、害魚論が激しくなった2002年、248号で休刊を迎えた。

だが、雑誌はなくなったが同社はまだ存続している。ウェブサイト「入れ喰いNET」を主宰し、情報発信する一方、04年からはDVD版TACKLEBOXも刊行。広告が溢れる商業ベースを捨て、現代のミニコミとも言えるネット配信へと転身したのだ。サイトには読者投稿が山盛りで、編集部の一貫した姿勢を見るようで嬉しくなる。

前置きが長くなったけれど、一度、TACKLEBOXについてはこうしてまとめておきたかった。僕のバスフィッシングは同誌によって形成されたようなものだからである。メソッドや釣り具の情報は言うに及ばず、環境を大切にしてこそ釣りは成り立つということや、マナーを守って釣り場を含む地域に参加させて貰おうという主張は今でも僕の根っこになっている。

このカテゴリでは、TACKLEBOX誌を中心に、僕が持っている昔の雑誌から時代を感じさせる記事や広告を紹介していきたい。同誌編集部に掲載許可をメールでお願いしたところ、快く了承いただいた。この場を借りてお礼申し上げます。

TACKLEBOX【書籍紹介】今回はサワリとして、1986(昭和61)年1月発行の第47号から広告ページをご紹介。広告と言えば上州屋である。見てください。スミス/スーパーストライクFO-60が12,800円とか言うておる。いいい今すぐ10本下さい。とか全国通販窓口に電話したいところだけど、当然もう売ってないので残念だ。

この当時はスーパーストライクの最晩期で、グリップがフジグリップ仕様になっているのも珍しい。また、ヒノウエ/レスターファインもアルミハンドルではないものの15,000円前後である。何で無理にでも買っておかなかったのかと当時の自分を問いつめたい。切ない。

魚探がブラウン管で15万円というのに目を剥く。エレキはそんなに高価ではないが、「電動船外機」という呼び名が時代を感じさせる。「新型ブランクスルーハンドル」という言葉も、何もかもが懐かしい。こうした広告を食い入るように眺めて僕は育った。だからこんな人間になった。

次回からは記事なども紹介します。


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Posted by ポンプ小屋マスター at 20:39│Comments(12)史料
この記事へのコメント
お!初の一番乗りか?

いつもは昼の弁当を食べ始める前に読み始め、食べ終わる頃に見終わるので楽しみにしてます

しかし古い雑誌やね。見たことあるような無いような・・・このカテゴリおもしろそうだ
Posted by ratfink at 2006年09月29日 21:13
>ratfinkさん

いつも読んでいただいてありがとうございます。お昼のひと時、和んでいただければ幸いです・・・

この雑誌は、基本的に釣具店でしか置いてなかったようなので見たことがない人もいるかもしれませんね。
歴史は長いんですが、コアなファンが楽しむ雑誌というイメージもあり、バスバブルの時には後発のカタログ雑誌に出し抜かれたのが残念です・・・
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月29日 21:33
(・∀・)ノ  イヨー


記事が消えてたのね・・・・。


消えたら・・・・書く気がおこらんぜよ~


いまも大酔いやから~


タイピングが変かも♪
Posted by 真っ黒 at 2006年09月29日 21:46
ポンプ小屋マスターさん

はじめまして!

真っ黒さん経由で来させていただきました。

ポンプさんのブログはいつも

拝見させて頂いております。

これからよろしくお願いします。
Posted by コウヤ at 2006年09月29日 22:24
>真っ黒さん

いつもエディタで書いてるので、幸い書いた内容は残ってたんですが・・・
完全に消えちゃうともうやる気なくしますよね。

僕は昨日、たらふく飲んだので今日はもういいです。ビール2本でやめときます。ってまた飲んでるのか(お約束
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月29日 22:59
>コウヤさん

初めまして~。そちらのブログはいつも拝見して、楽しませて貰っています。
あんまりトップ系の記事はないどころか、バス関係の記事も最近あやしい当ブログですが、今後ともよろしくお願いします。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月29日 23:00
緊急ニュース!
ポンプ小屋マスター さんは自分の書く記事に自らのみこまれ行くえ不明に・・
読者の噂によれば、「イカの記事が多いからソルトカデに引越し」とか「これからはサバイバルカデだよマジデ」とか言ってるとの情報も・・
ついに三日前ではなく・・活字のヘヴンへ旅立つか・・
詳細は、本人がこの後記者会見するようです!

これ以上書くと怒られちゃうので・・
はっきり言って初めて見ました
釣り雑誌の走りだったのかな?
Posted by 班長 at 2006年09月29日 23:24
>班長さん

なははは。この調子だとナチュログ自体を引っ越さなければならんかもですね。ナチュログからの勧告や命令はまだ聞いていないため、コメントできない ← 会見の要旨
本人は釣りとそれに付随する文化が大好きなので、あんまり考えずに書きたいことを書いてます。
まあこういうブログが一つぐらいあってもいい・・・のかなあ・・・いかんと言われればそれまでなんですが・・・

釣り雑誌と言うよりは、ルアー・フライ雑誌の走りですね。80年代当初にはバス専門誌自体がなくて、これか「つりトップ」か、一般的な釣り雑誌の一部でしか情報がありませんでした。
バスバブル時にも、長く営業している釣具店ぐらいしか置いてなかったかもですね。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月29日 23:36
『TACKLE BOX』は記憶にないですが、『つりトップ』はよく読みました ってか見てました。
『つりトップ』って文字より絵や漫画が多かったので子供の自分には取っつきやすかったんですね。 ← 我ながらアタマ悪い(恥
Posted by drake at 2006年09月30日 00:28
>drakeさん

つりトップは僕も愛読してました。
表紙の釣りキチ三平が僕を毎月、誘うのです。確かに学研らしく、読みやすい誌面構成でしたね。漫画も楽しみにしておりました。
でも、なぜか手元には一冊も残っていません。今度実家で捜索してきます・・・
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月30日 00:35
こんばんは。

Tackle Box、かなりお世話になりましたネ。
投稿記事を掲載してもらったり、読者プレゼントでハンドエレキを貰ったり。読者の視点に近い記事が(途中まで)多かったと記憶しています。
Posted by silver at 2006年09月30日 01:05
>silverさん

お返事遅れまして申し訳ありません。
やはり、キャリアのある方はさすがご存知ですね・・・
あのハンドコンもらったんですか?羨ましい!
僕も2,3回、記事を送って掲載していただきました。

今回、許可をいただくにあたり、編集部の平松さんと編集長の北越さんから快く了解をいただきました。とても嬉しかったです。
あのころのTACKLEBOXのような読者に寄り添った雑誌が、また出てこないかと期待しています。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年10月01日 00:56
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