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2006年07月29日

離岸提にて-後編【釣行記】

頭を真っ白にしながら離岸提の始点近くに戻る。これまでたまに某魚用のルアーも投げてみたがもちろん反応はない。それ以前にこのサーフはのっぺりしすぎていて、岩礁も目視できず、狙うべき場所が見つからない。たとえ魚がいても狙い撃ちするのには無理がありそうだ。

やっぱり対象魚になっていないのには理由があるのかもわからん。とか非常に消極的になりつつ惰性で仕掛けを投げ続けていると、ぐいっと明確な魚信があった。うお。ついに来た。本日初の魚信。この際魚なら何でもいい。

離岸提にて-後編【釣行記】そしてとりあえず結構よく引く。良型のキスか、ひょっとして某魚か。ロッドを絞るような抵抗を楽しみつつ波打ち際まで寄せてきた。勇んで魚を見た。

エソであった。

エソの仲間の体は細長く円筒状で、口が大きく裂けていて歯は鋭く、蛇の化身だと思われるほどの姿をしています。水産上大切なのはエソ科マエソ属の4種で、ワニエソ、マエソ、クロエソ、トカゲエソです。限りなくどうでもいい情報であるが、今の僕はそんな気分だ。

型は確かに良かった。34cm。わざわざ計る辺りが僕の海より深い悲しみを示している。ちなみに僕のエソレコードである。本当に心からどうでもいい情報だった。

サーフに見切りをつけ、とぼとぼと離岸提を戻る。イワシやボラを時々見かけるので、僕はふと思いついて小さなメタルジグを投げてみる。光るジグにわらわらと小魚が寄ってくる。わー。良かったねえ。楽しいねえ。乾いた笑いを漏らす僕はすでに逝っちゃっているのかもしれない。

離岸提にて-後編【釣行記】脳みそをいい感じにゆだらせながらふと海面を覗き込むと、なんだか黒い点が行き来している。もっと目を凝らしてみた。驚くことにイカである。もう親指大ぐらいの小さなイカが波にもまれながら健気に懸命に泳いでいる。写真に写っているだろうか。この胡麻塩みたいなのが子イカだ。

これを乗せるには恐らく0.5号ぐらいの餌木が必要だ。メタルジグを投げてみる。子イカが興味津々に寄ってくる。わー。楽しくてよかったねえ。

などと壊れている場合ではなーい。親イカはどこに行ってしまったのか。こいつらを釣るには秋まで待たなくちゃいけないけど、子がいるってことは親もその辺にいるんじゃないか。そうだ。可能性はあるかもしれない。

Bring your Mama,お前たちのママを連れてきてくれ、とジムばりに親指を立てながら餌木をキャスト再開。実に壊れている。某魚のことは諦めた。俺の魚じゃねーよ。こういう厳しい状況で結果を出してこそプロフェッショナルアングラーなんだよ。なんで釣れない時には田辺語録がよく似合うんだろ。

とはいえ、エギングには年間20日未満しか行かない、経験も腕もない僕にとってこうしたタフな状況でできることは少ない。とりあえず足元の沈みテトラやケーソンに絞り、餌木は3号でフォールを遅くし、ストラクチャーの周辺を大小のトゥイッチを織り交ぜつつ丹念に探る。色はこの周辺で実績があるピンクに限定。狙いを絞り込むことによって迷いを追放する。

数投目。いい感じで沈みテトラの陰を餌木が通った、と思った次のシャクリだった。ずん、という感じで重みが乗った。

ありえないことが起こったので僕は状況を把握しかねた。この炎天下の死の海で、イカが餌木に乗る。ちょーあり得ない。そんなわけない。冗談は顔だけにしろ。

しかし海中には墨が爆発し、ピンクの餌木が見え隠れしている。うわ。乗っとる。イカ釣れとる。どないしょ。

数度のジェット噴射に耐える、というほどではなく、kg級ではなく慌てるサイズじゃないが、ちょうど僕は玉網を10mほど向こうに置いてきてしまっている。阿呆か。こういうときに限って貴重な獲物が掛かると言うのはナントカの法則じみているけどよくあるけれど、そんなこと言ってる場合じゃなーい。

離岸提にて-後編【釣行記】僕はキロアップを掛けたときよりも緊張しながら足元まで寄せてきて、掛かりを確認。口の近くの意外といいところに掛かっている。しばし黙考し、決断。えいやっと抜き上げた。無事にランディング。本当に冷や冷やした。

胴長25cm弱、約700gのアオリイカ。本当に貴重な獲物であった。釣れたのは偶然と言うほかないが、こんな状況だけに過去のどんなイカよりも嬉しい。思わず拳を固く握る。神はいたのかもしれないんだぜ。

ドラマ魚(っていうかイカ)をうやうやしくクーラーに収め、僕はまた冷たいお茶を口にする。とんでもない充足感。厳しいゲームだったけど、偶然で釣れた魚だけど、本当にやれやれだけど、気分は最高だ。すでに中天に差し掛かり、威力を一段と増した灼熱の太陽を心地よく感じる例外的な一瞬が訪れた。

まあその後は相変わらず海はうんともすんとも言わず、取り戻した僕の元気もあっという間に萎んじゃったんだけど、贅沢は言うまい。僕は手首が痛くなるまで餌木をシャクって、クーラーに用意した2Lぶんのお茶を飲み干したころにちょうど迎えの船が来た。

離岸提にて-後編【釣行記】今回のゲームは成功とは言えなかったけど、終わりよければすべてよし。となってしまうので僕は反省がなく進歩もないけれど、ドラマチックではあった。釣りビジョンで放送してもいいぐらいだと個人的には思う。途中で逡巡しながら砂ゴカイを針に刺すシーンも含めて。「これ以上フィネスには落とせないんだよ」とか言いながら。そんで最後には釣り上げて「だから釣りはやめられないんだよなー」とか、どうしてもGo For It!風になっちゃうのはだからどうしてなんだぜってば。

本日のタックルは2本使い。ダイコーとダイワの回し者のようだけど、この組み合わせは「コストパフォーマンス」という点において一押しのバランスタックル。最近のダイコー竿は本当に軽くなった。厳しい状況の中、大いに助けられた。

僕は家に帰り着くなりどっと疲労が襲ってきて、イカを冷蔵庫に収めてすぐ眠ってしまった。やっぱり炎天下は体に堪える。これからイカを刺身にして一杯やるけれど、それは楽しみだけど、明日以降の体調が心配ではある。でもまあ、楽しいからいいか。

Tackle Data:
ダイコー/エギグランド・トライバルEGTS-710+ダイワ/カルディア2500+シマノ/DURA PE1号+デュエル/フューズフロロ10lbs

ダイコー/フェルザスFZ-96MLRS+ダイワ/カルディアKIX2506+ユニチカ/シルバースレッドPEソルトウォーター20lbs+デュエル/フューズフロロ10lbs


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Posted by ポンプ小屋マスター at 22:54│Comments(4)塩水
この記事へのコメント
はじめまして

エソって?岩手にはおそらくいない魚だと・・釣り味はいいのかなぁ?

アオリの魚影も薄いんですよホント
イカは好きなんでやりたいんですけど・・秋にヤリイカぐらいです

ポンプ小屋マスターさんの流暢で優しさのある記事、いつも感心して拝見させてもらってます
Posted by 班長 at 2006年07月30日 00:45
班長さん、初めまして。コメントありがとうございます。
いつもブログ拝見しています。共感することも多々あり、勉強させてもらっています。

エソは愛媛・宇和島辺りでは蒲鉾が有名ですよね。岩手にはいないんですか。初めて知りました。小さくても割と引きは強いですよ。
岩手と言うと海の幸が豊かな印象がありますが・・・アオリも少ないとは意外!
その代わりロックフィッシュは豊富ですよね。こっちにはいないのでとても羨ましいです。50upのアイナメとか釣りて~、そんで「やっぱり強い釣りだよ!」と田辺化して~

拙い文章で読みづらいところも多いと思いますが、読んでいただければうれしいです。
そちらのブログにもお邪魔しますね。今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年07月30日 01:10
どもです

私はパクリでオリジナリティーゼロですから(笑

岩手の海は寒流系の魚がメインですから魚影は濃くても魚種は少ないんですよ(悲・・

シーバスも県南でなんとか程度でクロダイなんているの?って感じですよ・・メジナは知らない人が多い魚だと・・(スーパーでも見ないし

ロックフィッシュはいいですよ!あとはカレイ類かな
アイナメは船の餌釣りなら60オーバーも上がりますしね

オカッパリでも狙えるんですが、渡し舟とかルアー船はあまりありません
その辺が不満ですね

自分、明日仕事でした・・寝ます・・・
うちにも気軽におこしください!
Posted by 班長 at 2006年07月30日 01:47
班長さん、どうもどうも。
大きいカレイとか子供のころから憧れの魚ですよ・・・アイナメ60オーバーってモンスターですね。自分が釣らなくてもいいから、実物を拝んでみたいです。
そういえばサケや海アメもいるんですか?
こちらでは「手軽な対象魚」は多いものの、一発大物が少ないのが悲しいです。お互い、ないものねだりかも(w

日曜のお仕事、ご苦労様です・・・
とか言いつつ僕も仕事してますけど。お互い頑張りましょう!
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年07月30日 11:52
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