2006年07月29日
離岸提にて-前編【釣行記】
昨日いただいた真っ黒さん@トップオンリーのコメントに素で感動してしまったので今日は午前4時起床。楽しいことを楽しくやりたいから釣りに行くのである。初心に帰ってバスフィッシングを楽しもうと思った。真っ黒さん、ありがとうございました。
目指すのは近くの港の離岸提である。もうホント台無しだよ勘弁してくれよって感じだけどこれが僕。もちろんバスも行くけれど今日は海にどうしても行きたかった。
とある魚を狙うパターンを確立させたい。ここでは対象魚になっていないけど、必ず釣れるという確信がある。まず手始めに、湾内を広く探ろうと思い、それにはこの離岸提に渡るのが手っ取り早かった。
受け口の湾に面した小さな漁港と集落を守るように、陸地に対して数kmにわたり平行に広がるこの離岸提はチヌやアオリイカの好釣り場として有名だ。ところが僕が渡るのは今回初めてだった。港から渡し舟で数分の距離だけど、なんとなく億劫な気がして敬遠していた。
そんな僕を渡船に乗せる決心をさせたのだから某魚ってすごい。パイオニアになろうとする僕の功名心もすごい。気合を入れてフェルトスパイクシューズやシーバスタックルや厳選したけれどかなりの量になってしまったルアーも用意。初めての釣り場で夢が広がりんぐともいう。
午前5時、渡船に乗船。穏やかな朝焼けの海が迎えてくれる。やっぱり釣りはいい。夕方や夜ばっかりじゃなく、たまには早起きが必要だと痛感する。波間に走るイワシだろうか、銀色の魚体に期待が高まる。
離岸提は幅6~7mで湾曲しながらだらだらと続いている。期待に胸を高鳴らせながらタックルをセット。記念すべき第1投は林漁具/餌木猿3.5号だ。
何度も何度ももうホント台無しッスから勘弁してくださいよ。某魚はどうなったんだよ。でもさあ、渡船のおっちゃんに昨日、1.5kgのアオリが出たとかしかもそれ朝一だったとか聞いたらさあ、とりあえず投げとくだろ。それが僕だし世の習いってもんだろ。
とか開き直りながら餌木をキャストしていく。この湾は全面的に砂地で、まばらに海草が生える岩礁が点在し、離岸提周辺の水深は満潮時で5~6mと浅い。沖向けや岸壁と平行に餌木をテンポよく投げて進んでいく。
2度、中型のイカが餌木にじゃれ付くように追ってきたが抱くまでには至らなかった。ああいうのにはまったら時間をどんどん無駄にするので早々に見切ってランガンする。そしてこの判断を数時間後に激しく後悔することになる。
1時間が過ぎたが獲物はない。朝方は少し沖目に小型のブリやカンパチが回ってくることもあると聞いていたので、ジグも投げてみたが反応はなかった。よろしい。今日の本題はそもそも青物やイカではない。ここから本腰を入れて某魚にチャレンジする。
2時間が過ぎ、僕はすでに倒れそうに疲弊していた。まだ午前8時だって言うのに太陽は省エネって言う言葉を教えてやりたいほど血気盛んに世界を焦がし続け、遮るもののない離岸提の上はまさに熱したフライパン状態。じりじりと音を立てて自分の皮膚が焦げていくのがリアルに感じ取れる。SPF50+の日焼け止めは美白のためではなく、火傷による死を防ぐためのものだ。
魚?反応なんてあるわけないじゃないッスかwwwお客さんおかしいッスよwwwという美容師口調を自分で呟いてみてあまりのウザさに自分でキレそうになるほど僕は苛立っていた。反応がないだけなら僕が下手だからかもしれない。だが問題はそれ以上に深刻だった。
何しろ魚っ気がない。一緒に渡ったチヌ釣り師も憮然とした面持ちで空しくヒシャクを振るだけ。そして致命的なのは、シロギス釣りの人にもアタリ一つないことだった。シロギスは某魚のベイトと僕が目していた魚だ。これは深刻である。
とにかく僕はやり尽くした。最善を尽くしたという自負はある。沖にミノーを投げ、下げにかかって次第に見えてくる岩礁を目掛けてソフトルアーも執拗に打ち、岸壁際にジグヘッドを落とし、時折思い出したかのように餌木をしゃくった。炎天下の離岸提を延べ数kmにわたって歩き回った。なーんもなかった。カサゴすら釣れなかった。もう死ぬ。
何しろベイトフィッシュがいないのだからやる気すら奪われていく。ここ数日の晴天で澄み切った海中には時々、イワシか何かの群れが通るだけ。呆然と彷徨しながら僕は離岸提の一部を形成している砂浜にたどり着いた。
元々、この延長3kmほどの中島というか砂洲を基に離岸提が建設され、伸ばされたと言った方が正しい。何も考えず僕はシューズを脱ぎ、素足を波打ち際に浸した。生き返る。釣りより海水浴に来ればよかったというのは偽らざる本音だがあえて無視する。
涼しさで僕は少し気を持ち直し、コンビニのおにぎりとクーラーの中の冷たいお茶を口にした。元気が戻る。このサーフで勝負だ。僕はタックルを再び手に取り、リグり直した。フロート天秤10号にささめ針の投げ釣り仕掛け、針は8号、ハリス1.5号モトス3号。餌は砂ゴカイ。全体的に食わせを意識したチョイスである。
もうホントいい加減に(略 っていうかこのシロギス狙いはとても大事な意味を持っていて、離岸提の沖側にいないならキスはサーフに寄っているかもしれない。そしたら某魚も近くにいるに違いない。田辺語で言うとウィズ・ベイトフィッシュである。コンフィデンスを持たなきゃやってらんないよー。
あと、ここでシロギス釣ってお土産にしたいと言うのは正直すぎて赤面するほど偽らざる(略 とりあえずシーバスロッドで仕掛けを遠投する。僕の魚とコンフィデンスを連れて来ておくれ。
1時間が経過した。本当に時間は経過してばかりだが、驚くことにシロギスは一匹も釣れなかった。これはもう何かに呪われているとしか思えない。長いサーフをずっと歩いた努力は水泡に帰した。僕は冗談じゃなく頭が真っ白になった。灼熱の太陽の下、僕は立ち尽くすばかりだった。
<後編に続く>

とある魚を狙うパターンを確立させたい。ここでは対象魚になっていないけど、必ず釣れるという確信がある。まず手始めに、湾内を広く探ろうと思い、それにはこの離岸提に渡るのが手っ取り早かった。
受け口の湾に面した小さな漁港と集落を守るように、陸地に対して数kmにわたり平行に広がるこの離岸提はチヌやアオリイカの好釣り場として有名だ。ところが僕が渡るのは今回初めてだった。港から渡し舟で数分の距離だけど、なんとなく億劫な気がして敬遠していた。
そんな僕を渡船に乗せる決心をさせたのだから某魚ってすごい。パイオニアになろうとする僕の功名心もすごい。気合を入れてフェルトスパイクシューズやシーバスタックルや厳選したけれどかなりの量になってしまったルアーも用意。初めての釣り場で夢が広がりんぐともいう。
午前5時、渡船に乗船。穏やかな朝焼けの海が迎えてくれる。やっぱり釣りはいい。夕方や夜ばっかりじゃなく、たまには早起きが必要だと痛感する。波間に走るイワシだろうか、銀色の魚体に期待が高まる。
離岸提は幅6~7mで湾曲しながらだらだらと続いている。期待に胸を高鳴らせながらタックルをセット。記念すべき第1投は林漁具/餌木猿3.5号だ。
何度も何度ももうホント台無しッスから勘弁してくださいよ。某魚はどうなったんだよ。でもさあ、渡船のおっちゃんに昨日、1.5kgのアオリが出たとかしかもそれ朝一だったとか聞いたらさあ、とりあえず投げとくだろ。それが僕だし世の習いってもんだろ。
とか開き直りながら餌木をキャストしていく。この湾は全面的に砂地で、まばらに海草が生える岩礁が点在し、離岸提周辺の水深は満潮時で5~6mと浅い。沖向けや岸壁と平行に餌木をテンポよく投げて進んでいく。
2度、中型のイカが餌木にじゃれ付くように追ってきたが抱くまでには至らなかった。ああいうのにはまったら時間をどんどん無駄にするので早々に見切ってランガンする。そしてこの判断を数時間後に激しく後悔することになる。
1時間が過ぎたが獲物はない。朝方は少し沖目に小型のブリやカンパチが回ってくることもあると聞いていたので、ジグも投げてみたが反応はなかった。よろしい。今日の本題はそもそも青物やイカではない。ここから本腰を入れて某魚にチャレンジする。

魚?反応なんてあるわけないじゃないッスかwwwお客さんおかしいッスよwwwという美容師口調を自分で呟いてみてあまりのウザさに自分でキレそうになるほど僕は苛立っていた。反応がないだけなら僕が下手だからかもしれない。だが問題はそれ以上に深刻だった。
何しろ魚っ気がない。一緒に渡ったチヌ釣り師も憮然とした面持ちで空しくヒシャクを振るだけ。そして致命的なのは、シロギス釣りの人にもアタリ一つないことだった。シロギスは某魚のベイトと僕が目していた魚だ。これは深刻である。
とにかく僕はやり尽くした。最善を尽くしたという自負はある。沖にミノーを投げ、下げにかかって次第に見えてくる岩礁を目掛けてソフトルアーも執拗に打ち、岸壁際にジグヘッドを落とし、時折思い出したかのように餌木をしゃくった。炎天下の離岸提を延べ数kmにわたって歩き回った。なーんもなかった。カサゴすら釣れなかった。もう死ぬ。

元々、この延長3kmほどの中島というか砂洲を基に離岸提が建設され、伸ばされたと言った方が正しい。何も考えず僕はシューズを脱ぎ、素足を波打ち際に浸した。生き返る。釣りより海水浴に来ればよかったというのは偽らざる本音だがあえて無視する。
涼しさで僕は少し気を持ち直し、コンビニのおにぎりとクーラーの中の冷たいお茶を口にした。元気が戻る。このサーフで勝負だ。僕はタックルを再び手に取り、リグり直した。フロート天秤10号にささめ針の投げ釣り仕掛け、針は8号、ハリス1.5号モトス3号。餌は砂ゴカイ。全体的に食わせを意識したチョイスである。
もうホントいい加減に(略 っていうかこのシロギス狙いはとても大事な意味を持っていて、離岸提の沖側にいないならキスはサーフに寄っているかもしれない。そしたら某魚も近くにいるに違いない。田辺語で言うとウィズ・ベイトフィッシュである。コンフィデンスを持たなきゃやってらんないよー。
あと、ここでシロギス釣ってお土産にしたいと言うのは正直すぎて赤面するほど偽らざる(略 とりあえずシーバスロッドで仕掛けを遠投する。僕の魚とコンフィデンスを連れて来ておくれ。
1時間が経過した。本当に時間は経過してばかりだが、驚くことにシロギスは一匹も釣れなかった。これはもう何かに呪われているとしか思えない。長いサーフをずっと歩いた努力は水泡に帰した。僕は冗談じゃなく頭が真っ白になった。灼熱の太陽の下、僕は立ち尽くすばかりだった。
<後編に続く>
Posted by ポンプ小屋マスター at 22:10│Comments(2)
│塩水
この記事へのコメント
(・∀・)ノ ヌ~ン
そんなに感動したっすか・・・
アリガトウ~
ワシは・・・1回の人生やから・・・・
楽しいことは、やっとなかと損しそうなので・・・
思いつたらすぐに行動しますね~~
離岸提かぁ~~
よく子供と行きますよ~
サバ・アジ狙いで(・∀・)ノ
結構子供も喜びますけどねん
そんなに感動したっすか・・・
アリガトウ~
ワシは・・・1回の人生やから・・・・
楽しいことは、やっとなかと損しそうなので・・・
思いつたらすぐに行動しますね~~
離岸提かぁ~~
よく子供と行きますよ~
サバ・アジ狙いで(・∀・)ノ
結構子供も喜びますけどねん
Posted by 真っ黒 at 2006年07月31日 21:26
真っ黒さん、こんばんは。お言葉ありがたく頂戴しております。まあ、やってることは台無しなんですが・・・申し訳ないッス・・・
真夏の離岸堤は楽しいけど厳しいですね。
やっぱアレですよ、夏はリザーバーでボート浮かべてバスが一番。木陰でビール飲んで昼寝。もう最高。
でも僕、今、ボート持ってない・・・また台無し・・・
真夏の離岸堤は楽しいけど厳しいですね。
やっぱアレですよ、夏はリザーバーでボート浮かべてバスが一番。木陰でビール飲んで昼寝。もう最高。
でも僕、今、ボート持ってない・・・また台無し・・・
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年07月31日 21:44
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