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2006年09月03日

ノットの話【Method】

釣りの基本であり、ある意味ルアー選択とかよりよほど大事なノット(結び)。僕は4~5種類を使い分けている。

ノットの話【Method】釣りを始めて、最初に覚えたのがクリンチノットだった。小学校低学年の子どもが覚えるには少々ややこしいノットである。なぜこれを選択したのか、そしてなぜこれしか覚えられなかったのか当時の自分に聞いてみたいものだが、結果的にこれしか覚えられなかったのだから仕方ない。そのまま10年ぐらいこれオンリーだった。

そのほか、同時に覚えたものはライン同士の結束にブラッドノット、チモトがある鈎に外掛け結び。それにチチワを使った竿の穂先(ヘビ口)への結束や、幹糸からのチチワの出し方ぐらいだ。外掛け結びは毛糸と料理用のお玉の柄を使って練習した記憶がある。僕は子どものころから、自分が不器用なことを自覚していた。それでもこれができないと釣りにならないので一生懸命、練習した。

不器用な僕はこれ以上のノットを覚える気力もなく、しばらくこれで押し通していた。実際、特に困らなかった。糸が太いと、クリンチノットではすっぽ抜けることがあったのでダブルクリンチを採用する程度で、ほとんどの対象魚はこれで済んでいた。

問題が持ち上がったのは、ソルトのルアーをやり始めてからだからこの10年内だ。PEを使い、ラインシステムを組む必要があった。じゃあ結びを覚えようとして、僕は自分の不器用さと久しぶりに直面することになった。

まずPEをダブルラインにするためビミニツイストを覚えた。これは少し苦労したが何とかなった。次が問題で、当時はほとんどがオルブライトノットである。ダブルラインにする必要もここにあった。これが全然まったく途方に暮れるほどうまくいかない。

何度やっても結び目はごちゃごちゃになる。引っ張るとすっぽ抜ける。ラインを巻きつけていても、いま自分がどの過程を結んでいるかが把握できない。何度、お手本のイラストを見てもさっぱり理解できない。自分の脳の具合を真剣に心配した。

そうこうするうちに世の中は摩擦系ノットの全盛期になり、FGノットやらSFノットやらが出てきた。これまた複雑である。僕の脳には許容量を超えている。なんで写真やイラストで明示されているものが再現できないのか自分でも不思議だが、できないものは仕方ない。

そういうこともあって僕がやるソルトはシーバスぐらいになり、そこでもナイロン直結しか使わないようになった。バスなどでPEを使うときは唯一、覚えたビミニツイストでスナップに直結である。エギングにしばらく手を出さなかったのも、実にこのノットの問題といってよかった。

いまだにPEとリーダーの結節は苦手だが、バークレイ/ファイヤーラインのパッケージに紹介されている「ファイヤーノット」を覚えてからはぐんと楽になった。何しろ簡単である。僕にでもすらすら結べたのだから、恐らく猿でも結べる。できない人はたまたまそのために回路がないだけだと思うから、他のノットを使えばいいと思う。

以下、僕の使っている結びを紹介する。何しろ僕が選んだのだから簡単さは折り紙付きだ。もしノットに悩んでいる人がいれば、試してみても損はないと思う。

<ラインアイへの結束>

・パロマーノット
田辺哲男氏が「世界一強いノット」と断言するのだから間違いない。実際に長く使っているが、結び目で切れるよりもラインの途中に傷などで切れるほうが多いぐらい強い。ラインが水中に残ってしまうので環境には優しくないのが問題だが、簡単で高強度なら迷わずこれを勧める。

太かったり硬いラインだと結び目が緩んですっぽ抜けることがあるが、きちんと結べば問題はない。また、ラインの切れ端が長くなる=使用するラインの量が多くなるのも特徴で、特に大きな対象物(ルアーなど)を輪にくぐらせるとラインのロスが大きくなる。スナップの使用をお勧めする。

・クリンチノット/ダブルクリンチノット
安定的な強さを誇るノットだが、比較的すっぽ抜けやすい。最初にアイへ2回くぐらせたり、切れ端をハーフヒッチしておくなどの工夫も時には必要となる。結び目は少々大きく、太いラインのときは水中でごみを拾ったりするのに神経を使う。

パロマーノットを通常使う僕がクリンチを結ぶのは、ラバージグを結束するとき。パロマーでジグをくぐらせるとき、あのラバーの一本一本が輪の中に入り込んで非常に邪魔になる。アイだけを相手にすればいいクリンチは便利だ。

・ダウンショット用ノット
ダウンショットは、フックに結んだラインの先端(余り)を利用してシンカーをつける。僕は外掛け結びを使う。長年使っていて簡単なのと、フックがちゃんと外を向くからだ。フッキングやラインへの絡みを防止するため、フックポイントの向きが不安定なノットは避けたい。

フックのアイにラインを通してから外掛け結びをするだけである。ラインの先端部分はもちろん長め(30cm~)に取る。外掛け結びは小物用で、決して強度が抜群に高いとはいえないが、バス程度(50cm級)なら問題はない。

<ライン同士の結束>

・ファイヤーノット
PEとあまり太さが変わらないリーダーを結ぶときにとてもいい。模式図はファイヤーラインのパッケージに描いてあるが、ネットでググると個人サイトしか出てこないので、直接リンクは避けて簡単に説明する。

ノットの話【Method】1.リーダーを2つ折りにし、その輪の中にメインラインをくぐらせる
2.リーダー(2つ折の2本とも)にメインラインを4回巻きつける
3.逆方向にまた4回巻き付け、メインラインの先端を再びリーダーの輪の中に通す
4.ゆっくり締め上げ、最後に強く力を入れて締める。メインラインの先端をハーフヒッチしておく

ナイロンライン同士でも強いし、何より結び目がとても小さい。ものすごく簡単な割には強度も充分だ。少なくとも、電車結びや僕が行う摩擦系ノットよりよほどいい。問題は、何度もキャストするうち結び目が変形してしまうことがあり、こうなると切れるのは時間の問題だ。キャスト時の衝撃が大きくなってきたら早めに結び換えるといい。簡単なんだから。

・ブラッドノット

PE以外のライン同士を結ぶときにいい。面倒そうだが意外と簡単だ。ただやはり結び目は大きめで、すっぽ抜けの危険も伴うのでスプールへの下巻きなど露出しない部分が望ましい。両ラインの先端が互いに外側を向くようにした方が、結び目は小さくなる。

・電車結び
単純なノットだが、意外と結束力が高く、結び目も小さい。PEにも使えるが、ファイヤーラインなどコーティング系にはまったく使えないので注意。ものすごくすっぽ抜ける。太さが違うラインにも対応するので、僕はシーバスでPEをやむなく使うならこのノットを採用する。

───────────────

冒頭でも書いたとおり、釣りにおいてノットは最も大切な技術の一つだ。ノットをおろそかにすると、大事な場面で必ず裏切られる。ラインもロッドも、その強度や性能を充分に発揮できなくなる。例えきちんと結べていても、時々結び目を確かめて、気になったらすぐに結び直すデリカシーが欲しい。

いずれにしても、結束時には充分締め上げ、結束点を適度に(唾液などで)濡らして摩擦熱による強度低下を防ぎたい。心を込めてノットを結べば、ラインは必ず応えてくれる。ぞんざいな結びでライン切れを起こすと、魚にもかわいそうだ。

ちなみに、ここでそっと告白すると僕はユニノットが結べない。あの入門書などには必ず紹介されている、誰でも結べるユニノット。僕はダメなのだ。何度やってもただの固結びになってしまう。だからもう今では諦めている。

さらに言うと、8の字も結べない。これも固結びになってしまう。呪われているのか脳に損傷があるのか定かではないが、こんな僕でもパロマーやファイヤーノットはちゃんと結べて釣りができているので、未習熟の人も勇気を持って覚えて欲しい。自分と状況に合った結び方が必ずある。


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Posted by ポンプ小屋マスター at 21:36│Comments(18)疑餌
この記事へのコメント
ハクはクリンチノットオンリーっすね・・。
嫁にもクリンチノットしか教えてません。

ま、とりあえず何とかなってるので、今はこれでいいかな・・。
Posted by ハク at 2006年09月03日 22:11
私も以前はクリンチノットだったんですけど、昨年2ヶ月ぐらいボウズが続いて、試しにユニノットに換えたらボウズ脱出できたので、縁起を担いでそれ以来ユニノットです。

バスのライトリグでリーダーを結ぶときは「電車結び」ですけど、シーバスでビニミツイストが未だに本を見ながらでないとできません。爆
Posted by オムラム at 2006年09月03日 22:22
>ハクさん

ぶっちゃけクリンチはいいノットですね。安定してるし。
僕はパロマー覚えてからとにかく釣りが楽になったというか、ノット周りのトラブルが皆無になったんで、人に教えるときはまずパロマー推薦してます。
結び方簡単ですし、面倒な僕にはぴったりなのです。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月03日 22:32
>オムラムさん

縁起を担ぐ、というのもいいかもしれませんね。この釣り場ではユニノットが効くとか。FGノットでしか釣れない場所があったらどうしよう。

ビミニツイストは、ダブルライン部分が大きくなってもいいやと気楽な気分で結んでます。
あと、巻きつけるときにぐるぐるの歌を歌っています。意味はありません。適当にぐるぐる言ってるとうまく結べるような気がするのです。
僕はノットだけでなく、いろんな理由でシーバスはナイロン派なのですが、PE使いこなしている人はすごいといつも思ってます・・・
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月03日 22:35
報告!
自分はほぼユニです
しかも3回巻と決めちょります
暗かろうが二日酔いだろうが体が覚えてます

ただし・・・depsルアーだけは外側にクルクルってやりたくなります
Posted by 班長 at 2006年09月03日 23:43
色んな意味で面白い記事ですね~
手先の不器用さなんてものは。。。ほんの少しのアイディアと工夫で克服できるんですよね。
私も不器用ですが何のハンデも感じていません。
でも、8の字には少しだけ笑ってしまいました(スミマセン)
Posted by サンチャゴ at 2006年09月03日 23:50
>班長さん

ご報告ありがとうございます。ユニとクリンチが二分してますね。これ次の投票ネタにどうですか?
もう何千回何万回と結んでるから体が覚えてるんでしょうね~。僕も手元が見えない夜中は無意識にクリンチ結んだりします。

>depsルアー
うはは。あれハングマンズノットだっけフィッシャーマンズノットでしたっけ?違う?とりあえず朝の琵琶湖ではあれが似合いますね。
そんでどーんと50upが食ってくるわけですよ。ノットで気分も盛り上がりますな。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月03日 23:53
>サンチャゴさん

おっしゃる通りでお恥ずかしい・・・たぶん見た通りにやってできなくて、面倒で投げ出しているためでしょう。
なんか立体的な図面を把握できないんですよね。脳の欠陥ということで諦めております(w

8の字ぐるぐるノットはだから、僕は永遠に結ぶことはないでしょう。
いま試しに8の字やってみたら、やっぱり普通の固結びになりました。あああもうどうでもいい(早くも投げ出した
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月03日 23:57
depsだけは・・・ルアーとあのノットがセット
まのの一文字に朝一に入りたい・・
きっと自分だけじゃないはず(▼∀▼)ニヤリッ

田辺氏にあこがれてパロマーやったこともあったんですけど
なんかあれってラインがやたら早くなくなりそうでやめました(セコイだけ
Posted by 班長 at 2006年09月04日 00:04
>班長さん

とりあえずサイドワインダーを10本ぐらい揃えたいですな。そんでバスボートで。あのノットを実現するためにどれぐらいお金が必要なのかと・・・いや別にそこら辺の野池でもできますが(・・・

パロマーは、最初に知ったのはBasser誌かなんかで泉和摩氏が紹介してたんですよ。したら田辺氏もアメリカではポピュラーなノットだって言うからちゃんと覚えました。
確かにラインを消費しますね。でも結ぶ対象が小さければ、クリンチと実はそう変わらないんですよ。
僕も貧乏性なので、ラインに傷が入ったら、その部分がノットの余り部分になるように調整して結び直してます・・・
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月04日 00:22
はじめまして(^O^)/
blogの足跡から来ました『まりも』です。
ノットですかぁ〜ソルトオンリーなんですが、私はエギもジグもFGノットです。
なれれば3分あれば出来ますよ(^O^)
あれの利点はPE0.8に20lb…40lbデカイリーダーでも付けれる事とリーダーに結び目がない事ですかね(^O^)/

これからもよろしくお願いいたします。
Posted by まりも at 2006年09月04日 00:53
>まりもさん
こんばんは、コメントありがとうございます!

FGノットができる人は無条件に尊敬します。慣れの問題だとは思うんですが・・・
メリットがやっぱり多そうなので、また挑戦してみますね。情報ありがとうございます。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします!
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月04日 01:32
(・∀・)ノィョ-ゥ


ワシは・・・適当に結んでたんで


2本津波のルアーを飛ばしてから・・・


あ・・・回収しましたよ?


それからPE恐怖症になったが


店長にやりかた教えてもらって


ムテキング~♪
Posted by 真っ黒 at 2006年09月04日 10:36
>真っ黒さん

PEってほんと扱いづらいですよね。慣れればこんな便利なものもないけど。
最近はPE直結の人も多いみたい。ちょっと前まではすっぽ抜けるから直結は無理だって言われてたのに。
ラインが進化したのかな?僕はいまだに怖くてよう直結しません・・・
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月04日 11:25
私は子供の頃よりハングマンズノット!

バスの死刑執行人だぁ~ (゚Д゚)ゴルァ!
Posted by ratfink at 2006年09月04日 17:37
ファイヤーノット超便利ですよねぇ!
僕が最初覚えたのは変則ユニノットで、それ以来そのまま使ってます。
クリンチでもユニでも無い事が分かったのがここ5年くらいですからよほど調べなかったんでしょう。
でもスカパー見てたら、DEPSの人や部長も同じ結び方っぽかったです。
Posted by くろいたち at 2006年09月04日 18:21
>ratfinkさん

ハングマンズノットがメインの人に初めてお目にかかりました。慣れるとあれでないと駄目だそうですね。

うはは。死刑執行人。ratfinkさんが言うと冗談に聞こえませんがな。今まで何万匹のバスを吊るし上げてきたのでしょう・・・
そういう意味でも気になるノットです。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月04日 21:24
>くろいたちさん

ねえ、ファイヤーノットすごいですよね。PEノットのコペルニクス的転回とも感じましたよ。なにせ僕が初見で結べたんだから。

変則ユニノット・・・きっと自分なりに工夫されたのでは・・・
クリンチノットも少し通すところを増やすとコブラツイストっていうノットになるそうです。楠瀬ナオキ氏が言ってました。
ユニノットは力の入れ具合や締め具合で別名になるそうですね?
僕は何度やっても固結びですが。締めると結び目が丸いこぶになるんですよ。もうわけ分かんない。
Posted by ポンプ小屋マスター at 2006年09月04日 21:28
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