テスト【釣行記】

ポンプ小屋マスター

2006年09月14日 23:58

やっと、久しぶりに晴れた。残暑の日差しはきついものの、透明感がある青空と、時折り吹き抜ける風の清涼感に秋の色を感じる。

何より雨続きで釣りにも行けなかったのだから、この晴れ間はありがたい。さあ気分一新。気持ちよく釣りに行こう。と僕はにこにこ笑顔で今日は仕事をして、気付けば午後六時になっても仕事が終わらない。

いやいやいやちょっと待て。何だこれ洒落になんない。せっかく晴れても意味がないじゃないか。まして週末はまた雨だと言う。今日行かないとまたいつ行けるか分かったものではない。僕は仕事をとっとと終わらそうと思ったけど終わらないので、強硬手段に訴える。

すなわち一時離脱で日没まで釣りをする。日が暮れれば事務所に帰って仕事を続行するのである。情けないが仕方ない。時間もないので、新ルアーを試すぐらいが関の山だ。とりあえずボックスに数個のルアーを詰めた。

ザラ2改とdeps/バズジェットJr.。それに比較対象としてヘドン/ビッグバド。あとは空いたところにズイール/テラー3/8ozなどを適当に入れた。適当と言いながらズイール/チマチマテラーとかメガバス/グリフォンゼロなどが入っているところが何というかいじましい。

川に着くと、驚くことにどのポイントにも釣り人が入っていた。久々の晴れ間で活性が高まっているのは僕だけではないのは、よく考えれば当たり前だ。いくつかのポイントをチェックするがなかなか釣り座が空いていない。

もうすぐ日暮れ、時間がない。うろうろしてやっと見つけた、人のいない小さな流れ込み。特に実績があるポイントでもないが、致し方ない。ここでやってみよう。増水や濁りはかなり治まり、川の見た目は平常を取り戻している。

まずザラ2改から。自重はあるのでキャスタビリティは優れている。だが、ただ巻きしてみると、思惑とは違いほとんどウォブリングしない。驚愕しつつよく見ると、ほとんど90度近い大きなローリングがメインの動きだ。

両側面が交互に上を向くような大きなロールで、時々その規則正しい動きが崩れてウォブルが現れる。テールのブレードはそうした動きに関わらずきらきらと確実に回っている。まっすぐ引いてくるとアピールが小さいバズベイトのようだ。

ちょっとだけラインアイをいじると、ウォブルの動きも出るようになった。スローでロール、ハイピッチでウォブル。僕はバドのようなワイドに水面をかき混ぜる動きが欲しかったのでこれは予想外だけど、ジャークするとポップ音も出るし、トゥイッチすると不器用ながら左右に首も振る(難しい)。使えなくはないという感じだ。

こうしたルアーでローリングをするのも滅多に見ないので、これはこれで面白いかもしれない。釣れるかどうかは正直言って微妙だが。そういえばシーバスに使ってみてもどうだろう。ティムコ/シャロークルーザーのようなローリング系シャローランナーに動きが酷似しているのだ。

そんな幻想はおいといてバズジェットJr.を投げてみる。おお。これはいい。わっさわっさと水面をかき混ぜつつ、体を斜め前方に倒すようにして水を押す。テールのプロペラがまた違った水流を生み出す。一ヵ所でもじもじもできるし、ダイブも豪快だ。まさにこうしたルアーが欲しかった。

じゃあ最初からこれ買っておけば良かったんじゃね?とザラ2改の存在意義がどんどん薄れていくが、まあそりゃね、素人の思いつき改造だから市販のルアーに完成度で勝てるわけがない。そんなこととは別にバズジェットJr.はいいルアーである。

いつの間にか日が暮れ、マズメ時。すっかり気温は下がり、半袖だと肌寒い。長雨が秋を連れてきたようだ。水温も急に下がったためか、フィーディングの様子もなく、魚の気配は無かった。これからは広範囲から条件のいい場所を探さないと難しそうだ。

僅かな残り時間にバドも投げるが、もちろん無反応だった。こうした水面かき回し系は盛夏のうちに試してみたかったと思う。バズジェットはともかく、ザラ2改は今後厳しいかもしれない。

ではおとなしく帰るかと最後の3投。どうせ魚もいなさそうだし、動かし方をもう少し試してもいいだろう。とザラ2改をもう一度投げてみる。恐らくそう遠くないうちにさらなる改造をするか、自由契約選手になるかなので、少しでもチャンスをあげよう。

流れ込み近くの岸際をゆっくり引いてきて、止めた途端にぽしゅんと小さなバイトがあった。弾かれるような、じゃれ付くようなバイトで、もちろん乗らなかったが、何が起こったか目を疑う。魚が何だったかは、暗くて分からなかった。だが、またこいつを投げてみるだけの理由はできてしまった。期待せずに使ってみようと思う。

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