ベイトキャスティングリール。

ポンプ小屋マスター

2006年09月16日 23:58

台風が近づいている。僅かな晴れ間のうちに釣りに行っておいて良かったと心から安堵する。この週末はもう、何もできないと思うので、この機会にルアーの入れ替えやチェック、タックルのメンテナンスをしようと思う。

ベイトキャスティングリールは汚れを拭き取り、ベアリングに注油したり、ラインを巻き替えたりする。簡単なメンテしかできないが、これをやるだけでリールの寿命も違うし、何より釣りに行けない無聊を慰めるにはぴったりだ。

そうして持っているリールをどんどん清掃していると、なぜかいつまでたっても作業が終わらない。次から次へとリールが出てくる。おかしい。これは魔術か。ここは釣具店か。もちろん僕が単にリールをたくさん持ちすぎなのは明白である。

岸釣りばかりのへっぽこ釣り師なのにどれぐらいリールを持っているかというと、ちょっと日本メーカーの現代的な機種だけ書き出してみよう。なんか気が進まないのはなぜだろう。

ダイワ
TD-Z103H   時と場所を選ばない万能選手。購入後5年、いまだメイン機
TD-Z103HL   ジグワーム専用機。最近は冬しか出番なし
アルファス-ito103   Zとメインを争う。10g前後が得意
アルファス-ito103L   底物主体で他の釣りもしたい時の「左のバーサタイル」
ミリオネアCV-Z103   かつては巻物専用。現在はトップ専用

シマノ
カルカッタ50XT   かつての軽いルアー用の主役。今はパックロッドと共に車載機
カルカッタ・コンクエスト50   ライトウェイトなら何でも。野池では間違いなくメイン
カルカッタ・コンクエスト51   8lbsフロロを巻いて、ノーシンカーワームなど「操る」釣りに
カルカッタ・コンクエスト100   巻物専用機。純正ロングハンドル搭載で巻き倒し

リョービ
バリウスM200   かつてのメイン機。今は車載で常に待機。結局、手放せない
バリウスF300スペクトル   太物ラインを巻いてビッグベイトやカバー用に。あまり出番なし
イクシオーネM300RF   頑丈さと遠投性はまだ一線級。頼れるサブ機
キャスプロメタルライトT300R   シーバスのメイン機。頑丈さは一級品

エイテック
トリニス100Hi   ネタで買ったがなかなか使える。これも車載機

このほかアブガルシアの5600D5 FWとか、イクシオーネ・ズイールとかもあるし、現役引退したものならダイワのマグサーボからリョービのセラテック・レグノまで10個ほどある。どう考えてもサンデーアングラーには贅沢すぎる。

理論上はいくらタックルを持っていくと言っても、ロッドで言うと例えば60L、65M、63ML、68MH、72Hとせいぜい5本で十分に用は足りる。僕がやりたい釣りだけをするなら、3本でも問題ない。つまり3台から最大5台で間に合う。いつの間に何の目的でこんなに増えたのか理解に苦しむが、それが物欲の本当の恐ろしさである。

僕は右利きで、右投げ右巻き派である。左巻きも何とか使えるし、真面目にジグワームをするなら必要なので3台も持っているけれど、本当はどうしても馴染めないものがある。ナイフとフォークを逆に持つような、ミカンでカーブを投げるような感覚だ。

これは長年の癖が染みついているから仕方ないのかも知れない。左巻きは有用だし使おうと思えば使えるけど、できれば右巻きの方が楽だというのが本音だ。右投げで一日中、キャストを繰り返していると、どうにも右手が疲れてくる。だから竿を左手に持ち替えられる右巻きは理に適っている、というのはあいあん横山氏の説だったか。

でもスピニングは右投げ左巻き派である。僕の年代では普通だと思うけど、これは逆に右巻きがどうしてもできなくなっている。磯でもエギングでも同じだ。理屈では割り切れない。

手持ちのラインナップをご覧の通り、ブレーキ方式はマグと遠心が二分している。子どもの頃に初めて使って「ああ楽だなあ」と感じ入って以来、本当はマグ派だ。ロッドの振り方も適当で不安定な僕にとって、力んで投げても軽く投げても毎回同じようにブレーキを掛けてくれるマグは安心できる。

でも、軽いものを気持ちよく投げたいなら遠心だ。僕は一時、シマノをほとんど使わなくなっていたのだが、5gのルアーをコントロールも含めて軽快に扱いたいなら、シマノの50番に勝るものはないと思う。そういう時は投げ方もいつもと違い、手首を前に押し出すフォワードキャスト気味で、それもマッチしているのかも知れない。

国産メーカーはどれも優秀だ。マイナーなリョービも、コツを掴めば非常に使いやすい。特に「力んで振り切る」時はリョービのマグが最も遠投できる。少しでも遠投したいと思うとき、どうしても力が入るので、そういう時には頼りになる。

安定してトレブルレスなのはやはりダイワだ。半分寝ぼけていても、ほとんど面倒なことにはならない。朝一番、まだ暗いうちはダイワを無意識に選ぶ。アルファス-itoは少しピーキーな感じもするので、メガバスが好きでなければ普通のZでまったく問題ないだろう。

正直、TD-Zとコンクエスト50とバリウスM200があればそれでいいような気もする。これらのリールの使い分けは一応、上に示したが、ほとんどは気分でありコンクエストで大きなルアーも平気で投げる。あとはその時巻いてあるラインやロッドとの相性で、戦略性などあまり気にせず選んでいる。

もちろん、もっとたくさん持っている人もいらっしゃるだろうけど、これだけあればトーナメントにも出られるというものだ。出ないけど。そんな「これだけあれば安心」という気分が欲しいがために僕はリールを買い集めているような気もする。

何にしろ、これだけあればしばらく僕はリールを買うことはないだろう。そう思いつつこないだ、店頭でABUのREVOを初めて触り、ふーんなかなかいいじゃない安いしとか思って小一時間近くいじり回していたのだから安心はできない。油断したらまた買ってしまうだろうと思う。物欲の種は尽きない。

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