キャスプロメタルライト。

ポンプ小屋マスター

2006年07月28日 18:16

リョービのキャスプロメタルライトT300R。かれこれ5年ぐらい使っているが故障一つない。堅牢なリールである。

発売当時は結構売れたモデルで、遠心とマグネットブレーキの両方を備えてアンダー250gで実売2万円以下。その上、使いやすかったので各店舗で品切れ状態が続いたこともある。バスバブル期に始めた人が最初のリールから買い換えるための需要もあったと推測する。

僕は昔からリョービのファンで、高校時代はセラテック・レグノとV-MAG4を愛用していた。当時のダイワやシマノのけばけばしさが好きになれず、人が余り使わないということもあってリョービ好きは加速。きょうびの釣りはリョービやねとばかりにチヌにもGFX浦千鳥などを使っていた。

その辺はまた詳しく書くけれど、今回の本題はキャスプロ。最初はバスに使っていたけれど、重い(5/8~1oz)ルアーをキャストしたときに手持ちのどのリールよりも飛距離が伸びることを発見し、長い竿と合わせてシーバスに使うようになった。

最終的に地元のショップで8'7"のベイト仕様シーバスロッドを作ってもらい、これと組み合わせて快適に使っている。ラインはナイロン12lbsがメイン。一応、河口ウェーディングゲームを主眼にしたが湾内からサーフまで問題なしに使える。僕のシーバスの主戦タックルだ。

キャスプロは海水で使ってもたまに水洗いをするぐらいで、まったく問題なく動いてくれる。本当にいいリールだ。しかしながらバスがメインの僕にとってキャスプロはサブ扱いであり、あんまり大事にしているとは言えなかった。不憫である。

そこでデイシーバスのシーズンを迎え、ちょっとドレスアップしてあげた。スタジオオーシャンマークの新品ハンドルが旧モデル処分価格5250円だったのでリアクションバイトしたのが真相だけど細かいことはいいじゃないか。

海用ベイトには定番の改造だが、思ったより格好良い。ちょっとアニメ風メカっぽいボディにケバいハンドルがかえってゴージャスで似合っている。褒めているのか僕ってば。

キャスプロはいいリールだけどパーツがちゃちいのが難で、特にハンドル周りは廉価版のそれと言ってよく、あまり気に入ってはいなかった。ノブにはちゃんとベアリングも入っているし、実用上の機能は上級モデル並なんだけど、ドラグノブもプラ製でお世辞にも高級感はなかった。

今回はハンドル交換とともにドラグノブもイクシオーネから移植。少しは見栄えがするようになった。この辺りは規格が共通で問題なく流用できる。ただドラグのクリックワッシャーを完全移植するには少々加工が必要なので、その辺が必要ない人は省いても使用上問題はない。

ハンドル長はオリジナルの80mmから90mmに拡大。長距離の巻き上げも疲れ知らず。またハンドル部分の剛性が上がったことでリーリング時の感度も上がっ
た。僕はナイロン使うからあまり関係ないけれど、リトリーブ時の感触の僅かな変化を感じ取ることもできたりするんじゃないかと思う。

で、これでシーバス用リールはしばらく買い換えしなくてもいいぐらいになったのでめでたしなんだけど、純正ハンドルの方はただストックしてあるのも勿体ない。そこで使える部分を部品取りすることにする。

以前も書いたような気がするけどリョービのリールのハンドル周りは基本的にアブ/ダイワと共通で、ハンドルノブをダイワと使い回せたりする。今まで確認はし
ていなかったけれど、ノブのベアリングも思った通り同じ大きさだった。これをアルファスITOに回してハンドルを4BB化しよう。

キャスプロのノブはキャップが六角レンチ仕様。中の止めネジはボルト。さらに逆回転止め。こういうどうでもいい部分にこだわるのがさすがリョービである。難の意味があるんだろう。普通にプラスネジで充分じゃないかなどと言ってはいけない。ロマンである(意味不明

止めネジじゃないボルトは専用工具がないのでプライヤーで回す。ここには厚手のワッシャー2枚とベアリングがあり、ベアリングを摘出してアルファスのベアリング代わりに入っていたプラ製のカラーを挿入。問題なく組み上がった。

もちろんノブをダイワのものに換えることもできる。ただ、ハンドルの取り付け座金部分が個体差によって少しきついものがあるので、その場合はノブの穴の内側を少し削ってやらないと回転が悪くなる。この辺は自己判断で試されたい。

素人なりにこうして道具に手を入れると充実感はあり、そしてもっとやることないかと調子に乗って暴走して最後はいじり壊してしまうのが僕だったりするから、余ったパーツを生体ドミノ移植ばりに流用してキメラリールを生み出したかったりするけどぐっと我慢。けっこう大人である。誰も褒めてくれないから自分で褒める。

でも、キャスプロは格好良くなったけど、いいリールだけど、今ひとつデザインが子どもっぽいと長年思っているのは確かで、これがためにシーバス用に追いやられたりシーバスなら夜中に使うから人目を気にしないで済むと思ったりというのは秘密だけど、その辺なんとかならんだろうか。

ふと思ったのは先日購入したトリニス100Hiである。あのリールのデザインは割と気に入っている。凡庸で無国籍という見方もあるけど、シンプルでいい。で、あのリールはいろいろとリョービと同規格のパーツが使われているというのも知っている。

キャスプロの中身をトリニスのフレームに組み込んじゃうってのはどうかなあ。どうかなあってそんなの素人には無理に決まってるけれど、やればできたりしてできたら格好良かったりして。そんな夢を思い描く僕はもし失敗したらシーバス用のリールにまた悩まなくてはならないので、慎重に自己判断をしようと思う。

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